トータルコストの最適化が企業を救う!

2008.04.07

経営・マネジメント

トータルコストの最適化が企業を救う!

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

よく色々なコンサルティング会社が “「トータルコスト」の低減を考えなさい”ということを言うと思いますが、 「トータルコスト」って何でしょうか? 一般的なコンセプトには重要なコストが含まれていません。

今回は「トータルコスト」について話をしたいと思います。

よく言われているのは、本体価格A+付帯コストBであり、
付帯コストBの中には物流a、在庫b、品質c、輸入諸掛d等の
コストが含まれると言われます。

つまり
付帯コストB=物流コストa
       +在庫(保管に係わる)コストb
         +品質(不良等の対応にかかる)コストc
           +輸入諸掛(通関他)コストd ということです。

海外からの調達を検討する上では、このような付帯コストも含んだ
“「トータルコスト」での検討を進めなさい”ということになるのです。

しかし、この「トータルコスト」の中には重要なコストが含まれていません。

例えば「在庫」の保管に係わるコストだけでなく
「デッドストック品」のコスト。
これは何らかの段階で棚卸減耗損としてコスト計上されます。
つまり苦労して1円、10銭単位でコスト削減を果たしても
1個余計に買ってしまい、それが使われなければ、廃棄コストに計上されるので、
このようなコスト削減などは水の泡になってしまいます。

それから「返品」コスト。
これはどちらかと言えば最終消費財等の業界で特徴的に発生しますが、
最近は顧客満足度を重視し“いつでも返品可能”という企業さんが増えています。
返品されたものを再利用できれば再生コストだけが発生しますが、
多くの場合再利用できずに廃棄するケースが多いです。
これらの廃棄コストも大きなコストになります。

また、使用後の「廃棄」に係わるコスト。
部品は製品という形になって使用され、
何年か経ち、再利用されるか、捨てられるか、消費されるか。
当然のことながら、
収集→分別を配慮した製品-部品であれば再生・再利用ができるので、
廃棄コストから再利用の価値コストを差し引いたものが
実質的なコストになります。

食品・飲料メーカー等の購買の方はご存知だとは思いますが、
包装容器リサイクル法で収集・再生にかかるコストはばかにならず、
実際多くの金額を企業が負担しています。

もう少し考えてみましょう。
コストというのは、価値を生む源泉です。
価値は時間とともに逓減します。つまり時間でコストは逓増します。

分かりやすい事例として、自動車の例を取り上げましょう。

自動車の耐用年数は5年です。
つまり200万円の乗用車でコストが100万円だった場合、
5年で残存価値は0になるので、単純に1年のコストは20万円になります。
しかし、5年後にこれを中古業者が20万円で買い、
100万円で再販したとしましょう。
そうすると再販価値として80万円の価値が新たに生まれることになります。
原価率が50%と想定すると、5年後に40万円の残存価値があることになり、
当初コストの100万円-5年後の残存価値40万円/5年=12万円で、
当初の1年あたりのコスト20万円から8万円のコスト削減になります。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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