戦略的サプライヤマネジメントのすゝめーその2-

2023.06.29

経営・マネジメント

戦略的サプライヤマネジメントのすゝめーその2-

野町 直弘
調達購買コンサルタント

戦略的サプライヤマネジメントと従来のサプライヤマネジメントの違いについて述べていきます。

コミュニケーションの「方法」の改善で、まず挙げられるのは、ビジネスレビューMTGです。ビジネスレビューMTGとは、サプライヤの課題だけでなく、バイヤー企業の課題も明確にし、課題を共有した上で解決策検討~改善のフォローを定期的に行っていくことを目的にします。理想的には、購買本部長、営業本部長などのマネジメントクラスが、定期的にコミュニケーションを取り、改善に取り組む方法が有効です。

他のコミュニケーションの「方法」の改善としては、VoSが上げられます。VoSとはVoice of Supplierの略であり、サプライヤのニーズや期待をヒアリングする活動です。しかし、これをコンサルタントなどの外部の第三者が実施することで、本音を引き出すことができます。ここでは、改善課題などをヒアリングするだけでなく、自社の競合他社比較での課題や、自社に対するサプライヤの姿勢を理解することも可能です。

次はコミュニケーション「内容」の適正化ですが、従来は自社の事業方針や生産計画などの情報共有が中心でした。これらのオペレーション上の情報共有だけでなく、事業目的(パーパス)やビジョンの共有を図り、製品ロードマップやサプライヤのビジネスチャンスを共有するなど、サプライヤを惹きつける工夫が必要となります。

最後はコミュニケーション「機会」の適正化です。これは、頻度の適正化と購買営業間だけでなく、両社の各部署間のコミュニケーションルートを構築することが機会適正化につながります。また、コミュニケーション実施においては、なるべくサプライヤ訪問を行い、必要に応じて、サプライヤの工場視察を絡めることも重要なポイントです。

このように、サプライヤ情報の一元管理及び活用と、コミュニケーションの取り方の改革、という2つの取組を行うことで、直面しているサプライヤマネジメントの課題を解決し、サプライチェーン全体でQCD+αの適正化を実現する取組みが、戦略的サプライヤマネジメントであり、今後日本企業は積極的に取り組んでいく必要があるでしょう。

最後に「戦略的サプライヤマネジメント」を実現している日本企業の事例を紹介します。この企業は大手製造業であり、サプライヤマネジメントを調達購買部門の主要業務として捉え、取組みを行っているのです。

当企業のサプライヤとの関係性づくりは調達部門だけの取組みではなく、全社を巻き込むものです。調達部門のリードで、社内各部署にサプライヤ評価をしてもらい、評価情報を蓄積しています。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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