モノが買えない時代ーその3-

2022.05.11

経営・マネジメント

モノが買えない時代ーその3-

野町 直弘
調達購買コンサルタント

今回は「モノが買えない時代」の課題の、最終回になります。 前回取り上げた対応策について、進め方のポイントや、より 具体的な方策について、考察を述べていきましょう。

セールスパーソンが、バイヤー企業に何を望んでいるか、を把握し、関係性強化を図っていくことは、「サプライヤに有利に扱ってもらう」関係性づくりにダイレクトに、つながります。セールスパーソンに、有利に扱ってもらうためには、彼らに、そのための論拠を用意しなければなりません。

例えば、取引金額が小さくても、自社の売上シェア(バイヤー企業の発注シェア)が、トップシェアであれば、セールスパーソンは社内を説得する材料を持つことになります。また、バイヤー企業の今後のビジネス展開が自社の方向性に合致していれば、それも会社全体の説得材料
になるでしょう。

それ以外にも、セールスパーソンや担当部門の営業目標を理解し、それをバイヤー企業が協力し、達成させることも、効果的です。バイヤー企業にとって、無理な目標であれば、難しいでしょう。しかし、例えば、競合他社並みの収益率の達成が目標であった場合には、適切な値上げの受容を行うことも考えられます。

このように、サプライヤモチベーションマネジメントは、一層サプライヤの立場にたって、ニーズを把握し、どのような方策を進めればニーズを満たし、モチベーションを高めることができるのか、を考えていくことが必要です。

「モノが買えない時代」におけるサプライヤ供給不足は、このような方策をとっても解決できないかも知れません。しかし、従来の延長で、お願いすればどうにかなる、ことはあり得ないでしょう。バイヤーは、新しい時代に入った前提で今までにない機能、役割を果たすと共に、アンテナを高くし、常に感度を高めていることが求められているのです。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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