よく人が辞める職場のリーダーは、何が間違っているのだろうか?

2008.03.25

組織・人材

よく人が辞める職場のリーダーは、何が間違っているのだろうか?

小林 英二

離職率の高い職場のリーダーには、共通する特色があります。 それは、凝り固まったモチベーションに対する考え方。新しい時代に合わせた柔軟なモチベーション方法が求められています。ノルアドレナリン型モチベーションとドーパミン型モチベーションをどう、組み合わせていくかが大事になるのです。

企業の中でこのノルアドレナリン型モチベーションはかなり多様されている。例えば

・業績給によるモチベーション(多くは賃金が下がる恐怖の方がモチベーションとして左右している)
・社員への管理強化・会議での叱責、怖い上司
・朝礼や会議での激!
・数日間の気合いを入れるための研修会
・自分の問題点を嫌気がする迄見つめる研修会

これらの効果は、多くの企業で実証済みだろう。私共でも、実際に研修会等も行わせて頂いている。ノルアドレナリン型モチベーションは、ドーパミン型モチベーションより即効性が高いので、これを好まれている管理者も多いのだ。「私のカツであいつが変わった!」「あの研修で劇的に変わった」といういような、部下を瞬時に変化させる成功体験を積まれた方も多いのではないか?しかし、問題は持続性。ノルアドレナリン型モチベーションは、「ここぞ!」という場面では、使ってもいいのだが、劇薬だ。

なぜ、劇薬なのか?長く使い続けるといけないのか?

痛みが続くと、ノルアドレナリンの使いすぎにより、痛みが麻痺状態になっていく。やがてその痛みが当たり前になり、痛みや恐怖がモチベーションとして機能しなくなり、無気力行動になってしまうベトナム戦争に行っていた帰還兵が戻ってくる廃人のようになったというようなエピソードなどもこれらが原因と言われている。

よく、闘将と言われるスポーツ監督の業績が瞬間で終わるのは、その為だ。1年~2年はその監督が指揮をとると、劇的に組織は強くなる。しかしその後、組織構成員が疲れてきて、無気力的な状況になるのだ。プロスポーツチームの監督のように短期間勝負であれば別だが、長期の利益管理が仕事になる一般企業の経営者や管理者がこのノルアドレナリン型モチベーションに頼るのは危険だ。

例えば、営業が苦手なIさん。彼に電話営業の仕事が命令されたとする。

Iさんの脳には、命令と同時に、ノルアドレナリンが分泌され、「イヤだな。他の仕事で忙しいと言い訳して、電話営業をさぼれないかな?」(逃げる)とか「イヤだな、苦手だけど仕事だから仕方ない。とりあえず電話営業を頑張るか?」(戦う)と考える。「電話営業を避けようと、さぼってしまえば」(逃げる)とそれでIさん成功への道が閉ざされていく。上司から怒鳴られる恐怖も容易に想像できていく。

しかし、Iさんが「イヤだけど我慢して、とりあえず電話営業しよう」(戦う)と考えても、あまり明るい未来はない。瞬間的には頑張れたIさんだが、それが長期間にわたり、「仕事=電話営業がイヤだな」と考え続けていくとどうなるか?

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