2つのリーダーシップ ~「人を導く」と「人を率いる」の違い

画像: Ivan Radic

2021.03.08

経営・マネジメント

2つのリーダーシップ ~「人を導く」と「人を率いる」の違い

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

「率いる」とは人を引き連れて行くことで、フォロワーは統率者につく。「導く」とは人を道にいざなうことで、フォロワーはその道が内包している目的(意味・価値)につく。フォロワーが「ヒト」につくのか、「目的」につくのか、この違いは大きい

「人を導く」型リーダーシップのもとでは目的・理念が求心力となる

その点、人を導くためには、何より「目的・理念・ビジョン」がいります。権力や能力、人間的魅力は、あればなおよい程度です。まず、その人自身が「道なるもの」を覚知・実践していく。そうした道に献身している人の姿、あるいはその人が目指す理想に人が感化を受け、そこに人が集まりだす。これが「指導者(リーダー)と従支者(フォロワー)」の関係性が生まれる本来的な姿といえます。

その場合の従支者は1人1人が目的のもとに自律的に振る舞おうとします。たとえ指導者が途中でいなくなっても、その志を受け継いだ誰かが新しい指導者として現れます。何か大きなことを成し遂げる集団は、「導く」形のリーダーシップによって力強く持続的に歩みを進めるものです。

さて、今回の東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会会長交代の一件。オリンピックは、その理念をオリンピック憲章の中で「オリンピズムの根本原則」として記しています。まさにこれが中核的価値を表した“五輪道”ともいうべきものです。ここに運営者集団、競技者たちを導いて、そのもとで大会を成功裏に終わらせる。後任の会長にはそうしたリーダーシップを期待したいと思います。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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