共感力が職場を幸せに

2007.04.25

組織・人材

共感力が職場を幸せに

横井 真人
産業能率大学 教授

組織の問題は人間関係やコミュニケーションが成り立っていないことが根底にあります。改善のヒントは相手への共鳴や共感です。さて、あなたの共感力の発達段階は何レベルでしょう?

週刊ダイヤモンド4月21日号の特集は
「上司の不満、部下のホンネ」でした。
読んだ方も多いかと思いますが、双方に
言ってもムダ、言ったら損という、悲しくも
深く見えない溝があるという内容です。
私の言う感情の壁と通じるものがあります。

アメリカのリチャード・ボヤツィス博士は著書
「実践EQ、人と組織を動かす鉄則」の中で「共鳴」
という表現を使ってこの見えない溝、感情の壁を
乗り越える必要性について語っています。

ボヤツィスも感情は伝染する、だからリーダーは
互いの思考(何をするか)や感情(なぜそれを
するのか)を一致させなければならないとし、これが
達成できるリーダーを共鳴型と名づけました。
面白い表現ですね。英語ではResonant Leadership
と言います。共鳴しあう人間関係こそが成果を
生む秘訣なのです。

弊社の顧問であるエグゼクティブ・コーチング
の権威である松下信武も組織のロイヤリティーを築き上げる
第一歩は「共感」であると言っています。
目標やお互いへの共感があってはじめて共鳴ができるのかも知れません。

先の雑誌特集で取り上げられた問題は、組織における共感の
欠如が関係してはいないでしょうか。
もしそうなら、共感できない原因は「しようとしていない」
のか、「できない」のか、どちらにあるのでしょう。

話はちょっとズレますが、
精神科医であるフランソワ・ルロールとクリストフ・アンドレ
は「感情力」と言う本の中で、子供の共感能力の発達に
ついての考察を述べています。

第1段階:1歳前後の子供は他の子供が泣くと自分も
泣き出すことがあるが、これは反射的なものにすぎない。
不安や悲しみは感じても、自分と他人の感情の区別は
まだできない。

第2段階:他の子供が悲しんでいるのを見ると、
その悲しみを慰めようという行動に出る。しかし、
その発想はまだ自分中心で、自分がしてほしいこと
をしてしまう。

第3段階:同じ状況だとしても、自分と他人の感情が
ちがう場合があることを分かり、相手のことを考えた適切な
共感の示し方となる。

第4段階:思春期になると、話を聞くだけでも想像が働き、
共感の対象が目に見えるものだけでなく、見えないものに
対しても広がる。
同時に個人的な共感だけでなく、グループ全員が抱く
共感が生まれるようになる。

私から見ると、第4段階における「想像力」が大人として、
組織の構成員としての共感力を発揮する上での大きな
ポイントに見えます。想像力を鍛えるためには本を読み、
状況と感情に言葉をあてはめることが大事です。

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横井 真人

横井 真人

産業能率大学 教授

個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。

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