コロナ禍のB2B営業戦略、「受け身のファネル」から抜け出そう

2020.09.27

営業・マーケティング

コロナ禍のB2B営業戦略、「受け身のファネル」から抜け出そう

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

現在の営業現場では、いわゆる「ファネル的」な管理手法が、コロナ禍で、ほぼ成り立たなくなってしまったといえるだろう。

しかし、今回のコロナ禍においてでも、売上を伸ばした人はもちろんいる。

ひとつは、提供する商品・サービス自体を、非接触型のものに変えて、成功した人だ。すぐに思いつくのは、これまでリアルのイベントを提供していたが、いち早くオンラインでの提供に変えることができたケースなどがそれにあたる。

もうひとつは、商流にとらわれず、いち早くクライアントの意思決定のプロセスの変化を読み取り、クロージングを可能にした人だ。これまでの商流を無視したわけではないのだろうが、いわゆるこれまでの意思決定プロセス(担当に話をし、上司に上申し、役員会議にかける、といった承認プロセス、また、部門間のプロセス、○○部の承認を得て、○○部に確認し、ようやくGOとなる)に関係なく、本来のあるべき意思決定者に素早くアプローチできた成果だ。こうした従来のプロセスは、オフィスにいない人たちばかりになれば、いちいち「ハンコ」をもらいに行くこともできないし、始めからオンラインミーティングに入っていれば何の問題もない。そもそもその承認プロセスが必要だったのかという疑問すら湧く。

こうしたケースに共通するのは、これまでの商習慣、商流に対し、別の観点からアプローチし、顧客の課題にフォーカスし、突破したことだ。顧客の課題に立ち返り、本来の顧客課題に対し果敢にチャレンジしたからこその成果だろう。これを「受け身のファネル」思考に対し、「主体的なブレイク」思考と言えるのではないか。

単なるデジタル化ではうまくいかない

さらに言えば、手段から発生したデジタル化は間違いなく失敗するのではないか。「コロナだからリモートしかできない」「顧客に会えないのだからオンラインでイベントをするしかない」という発想では、本質的な課題解決にはならず、競合との差別化は難しいだろう。

結局、昔ながらの「銀座に飲みに行け」「ゴルフに行ってこい」(すでに絶滅に近かったか)などの指示とあまり変わらない。

現在多くの企業で、これまでの情報提供の方法、戦略意思決定プロセスに関して、大きな変革時期となっている。営業の立場からすれば、現在は、この変化を機敏に捉え、自分の営業戦略をゼロから見直す機会であることは間違いない。

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