改良的アイデア VS 革命的アイデア

画像: photoAC_Panumas Yanuthai さん

2020.09.04

組織・人材

改良的アイデア VS 革命的アイデア

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

量(マス生産・マス販売)への誘惑から離れ、尖った発想・非連続的な発想ができる個と組織文化をどう涵養できるか、これは古くて新しい課題です。

枠組みの中の発想か/枠組みを破る発想か

私たちは日々、仕事・事業の進化に努め、アイデアを出します。それを2種類に分けるとすれば、1つに「改良的アイデア」、もう1つに「革命的アイデア」が考えられます。

改良的アイデアとは、現行システムの上での生産性や効率性を高めるための改善案、製品・サービスの性能や魅力を増すための変更案や補強案をいいます。端的には、既存の枠組みの中で漸次的変化をもたらす発想です。


こうした改良的アイデアは、先行事例をていねいに見習ったり、細かな工夫に長けたりする日本人が得意とするところです。「カイゼン(改善)」を国際語にしてしまったほどです。ただ、昨今はリバースエンジニリングの発達もあって、あるところで導入された改良策は、すぐに他の所でも真似をされ、効果がすぐに失われるようになりました。

改良的アイデアを練るのは、もはや当然の取り組みです。しかしその次元だけに終始・安住してはいけません。他の誰かが革命的アイデアを放ってくるからです。

革命的アイデアとは、現行システムを破壊するような新規システムの創出案、既成概念を打ち破る製品・サービスの考案をいいます。端的には、新しい枠組みをつくり出し、非連続的変化をもたらすアイデアです。

真に革命的なアイデアが実現されると、それによって新しいパラダイム(枠組み)が起こります。すると現行パラダイムは一気に旧パラダイムとなり、減退・消失か、新パラダイムに吸収されてしまいます。それまで覇権や優位を保っていた勢力の存在は急速に縮んでいきます。


既存の枠組みの中で、いわば「処し方」を洗練させていく発想(=改良的アイデア)は、実直に取り組めばいろいろと出てくるものです。ところが、物事の「在り方」を変え、枠組みを変えてしまうような発想(=革命的アイデア)は、そう簡単には出てきません。難度がはるかに高いからです。

ですから私たちは、ついついこの革命的アイデアに取り組むことを敬遠しがちです。しかし、日々の多忙な仕事の合間にも、常に「在り方」を問い、根本的に何かを変えていくという挑戦が大事です。

事業における発想は「より多く売れるか」に縛られる

芸術家や学童が行う創造活動は純粋にそれ自体を目的にできるので何の制約もありません。ですから独創性が出やすいものです。ところが、仕事や事業におけるアイデア発想は、その先に必ず顧客を置かねばなりません。顧客の需要にかない、より多く売れることが宿命づけられます。したがって、いたずらに尖ったユニークアイデアよりも、無難に効果が期待できるグッドアイデアのほうが優先されます。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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