健康によい成分満載の“サバ缶ブーム”が終わらない。その理由とは?

2018.09.26

営業・マーケティング

健康によい成分満載の“サバ缶ブーム”が終わらない。その理由とは?

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南青山リーダーズ株式会社

缶詰は、昭和の時代からもっとも手軽な食卓の友として定番だが、その売れ行きは平成が終わろうとしているいまなお衰えることがない。 とりわけもっとも古い歴史をもつ缶詰のひとつサバ缶は、動脈硬化の予防につながるEPA、DHAをはじめ、健康にいい成分がたくさん含まれていることから、サバ缶を使ったアレンジ料理が大手料理サイトなどに多数アップされ、その低価格もあいまってここ数年バカ売れ状態が続いている。 でもなぜ、こんなにもブームが続くのか。多くの人が支持する大ヒットの理由をひも解いてみた。

サバ缶人気の理由

① すぐれた健康効果
良質なたんぱく質とともに、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富なため、血液をサラサラにして、動脈硬化を抑える。

② ダイエット効果がある
サバ缶を食べると、腸内からやせるホルモンが分泌され、また食欲を抑える効能もあるため、ダイエットにつながる。

③ 安いのにおいしく、調理も簡単
サバ缶の平均的な値段はワンコインの100円前後なので、手軽に買い求めやすい。しかも、値段のわりにおいしく、下ごしらえ済みのため、調理も簡単。めんどうならお皿にあけるだけでも、十分なおかずになる。

④ 賞味期限が長く、非常食にも
サバ缶の賞味期限は数年単位。台所の一角に常備しておけば、いつでも食べられる。その考え方の延長で、いざというときの非常食としても活用できる。

そのほか、魚特有のにおいのする生ごみがでないので、まな板は汚れない。食べた後は空き缶を資源ごみとして出すだけなど、後処理も簡単。サバ缶人気の理由は数え上げればきりがないほど。

ポストサバ缶を見据えるメーカーの思惑

以上のような理由で、サバ缶の人気はずっと続いているが、この秋に向けて、少しずつ新しい動きも出てきている。

メーカー側の事情として、獲れたサバは国内の缶詰用にだけ供給しているわけではない。漁獲量の半分は海外へ輸出しており、近年は外国からの引き合いも多いため、輸出量が増えている。
そのため、国内市場へのサバの供給がおぼつかなくなってきており、缶詰のメーカーの要求にも十分に応えられなくなってきている。結果として缶詰用のサバの原材料の価格が高騰。マルハニチロはサバ缶の値段を9月から10%上げることに踏み切った。原材料不足による値段の改定は、ブームに冷や水を浴びせるおそれがある。

そうしたブームの陰りを見越してか、各メーカーは、ポストサバ缶の人気商品づくりに躍起だ。
その筆頭にあげられているのが、イワシ缶だ。

イワシ缶もサバ缶同様の青魚で、EPAやDHAをたくさん含んでおり、動脈硬化防止などに効果を発揮する。また、サラダやパスタなどに手軽にあわせやすく、くせもない。しかもリーズナブル。さば缶に負けないメリットも多いという。
現に、調査会社のインテージによると、2018年4~8月のイワシ缶の販売額は前年同時期にくらべ47%も増えている。マルハニチロの同じ時期のイワシ缶の販売額も約2.6倍にアップ。メーカーにとっては、ポストサバ缶の資格十分というところだろう。
あとは、またどこかのテレビ番組などが、あおりの特集を組んでくれることを待つばかりというところだろうか。この記事を読んだ人がサバ缶を購入するためにスーパーに走りに行けば、また静かなブームが起きそうだが……。
サバ缶フィーバーによる、メーカー、小売店、消費者を巻き込んだ騒動は、まだ当分続きそうだ。

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