地ビールブームを超えて──いま世界を魅了するMADE IN JAPANのクラフトビール

2018.09.21

ライフ・ソーシャル

地ビールブームを超えて──いま世界を魅了するMADE IN JAPANのクラフトビール

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南青山リーダーズ株式会社

全国各地の小規模な醸造メーカーで、原料や製法にこだわってつくられる「クラフトビール」。かつては「地ビール」と呼ばれブームとなりましたが、下火になった後も品質を追求する作り手によって個性が磨かれ、ジワジワとファン層を広げてきました。 そしていま、その「ジャパンメイドの品質と個性」が世界の品評会でも高く評価され、国産クラフトビールの輸出量はここ数年で一気に増加。国内のクラフトビールメーカーも本格的な海外展開を見据え、欧米やアジア市場での販路拡大に乗り出しています。

日本の独自性を打ち出すブランディングで海外市場に挑む

地ビールブーム以降、品質が飛躍的に向上した日本のクラフトビールは、海外からも大きく注目されています。世界中のビールが集結する「ワールドビアカップ」や海外の品評会では、ここ数年、日本のクラフトビールが多数受賞するなど大健闘! そうした中、地ビールブーム後の停滞期を乗り越えたメーカーの間では、和の個性や地域性を打ち出した製品を開発し、クラフト文化が根づく欧米や新市場のアジアに販路を拡大する動きが広まっています。

以下、海外展開を積極的に進め、輸出量を増やしている主なメーカーをご紹介しましょう。

【ヤッホーブルーイング/長野県軽井沢町】
2010年からアメリカへの輸出を開始し、輸出量はこの6年で倍増。クラフトビールの本場・アメリカでの知名度を高めるために、和の個性を打ち出した製品づくりにも挑戦しています。2016年には、かつお節の旨み成分を発酵促進に使い、缶に浮世絵風のイラストをあしらった輸出専用ビール「SORRY UMAMI IPA」を開発。斬新なジャパニーズクラフトとして、アメリカのビアフェスでも人気を博しています。

【木内酒造/茨城県那珂町】
看板商品の「常陸野ネストビール」は、海外コンテストでの受賞歴も多数。古代米やユズを使った「レッドライスエール」「セゾンドゥジャポン」など海外を意識した製品も多数展開し、年間生産量2500キロリットルの7割を欧米30ヵ国に輸出しています。2017年には、地元ブランドの常陸牛が味わえるビアレストランをサンフランシスコにオープンさせ、クラフト市場の武器となる「地域性」をアピールしています。

【コエドブルワリー/埼玉県川越市】
地元特産のサツマイモを使った看板商品「紅赤 BENIAKA」をはじめ、雅やかな日本の色名を冠した6種類の製品を展開。いずれも欧米の品評会で高い評価を得ており、この5年で輸出量を3倍に伸ばしています。2015年には海外初の拠点として、日本の串焼きとビールが楽しめるタップルームを香港にオープン。クラフトビールの人気が高まるアジア市場での本格展開を進めています。

政府の機関もメーカーの海外進出と輸出拡大を支援

クラフトビールメーカーの海外進出を国も後押ししています。
農林水産物の輸出拡大に向けて政府が設立した「JFOOD(日本食品海外プロモーションセンター)」では、輸出を重点的に支援する対象として「牛肉、米粉、ハマチなどの水産物、緑茶、日本酒、日本ワイン、クラフトビール」の7品目を選定。海外進出を目指す各品目のメーカーと、対象国・地域で販促プロモーションを実施し、海外の販路開拓や輸出の拡大を支援しています。

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