妻に内緒で69歳で起業。メガバンク元副頭取が考えた「高齢者の役目」

2018.09.11

経営・マネジメント

妻に内緒で69歳で起業。メガバンク元副頭取が考えた「高齢者の役目」

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文化放送「The News Masters TOKYO」のマスターズインタビュー。 パーソナリティのタケ小山が今回お迎えするのは、住友銀行副頭取、住銀リース社長などを歴任した後に69歳で、"地球の未来のために"蓄電池の会社を起業したエリーパワー代表取締役社長の吉田博一さん。 現在も80歳を超えて尚、キラキラした目で未来を語る吉田さんのパワフルな生き方にタケが迫ります。

「他人の反応はリトマス試験紙」

起業を決めたことは、家族には内緒にしていたという。

「反対されることは分かってましたから。黙って会社を作って、明日からスタートだという時になって初めて伝えたんです」

その結果、「家内は一年間くらい、ほとんど口を聞いてくれなかった」と苦笑いする吉田さん。

「苦難の時でした」ただ、その後の吉田さんの情熱や努力、また、事業の進捗を見ているうちに「今では応援してくれているようです」とニッコリ。

蓄電池の研究・開発、そして製造には莫大な資金が必要だ。「どうやってお金を集めたんですか?」というのはタケならずとも気になるところだ。

「資金は、今は315億円集まっています。このうち、個人からの出資は1%未満です。ほとんど上場会社を主体にした企業から出していただいている」

実は、これには明確な理由が2つある。

ひとつは、相続上の問題で「私も歳ですし、私個人がたくさん出資し事業が成功した場合、相続などの関係で子供も関わることになってしまう。この会社を残すことと、家族は出来る限り切り分けた方がいいと考えました」

もう一つは「覚悟の問題だ」という。

「自分のお金で始めたら、辛くなったらいつでもやめられる。でも、他人のお金をお預かりして始めたら、成功するまでやめることはできない。やめるときは、死ぬときです」

300社以上のトップに会って、蓄電池の可能性を訴えた日々。

「蓄電は世の中を変える。世界一の電池にしたい。絶対に安全で長持ちする蓄電池をつくる」という想いだけが吉田さんを動かし続けた。

「銀行の営業をしていた頃は、1日に90件のお客様を訪問していました。その経験のおかげで話している相手が自分の話を理解して共感してくれているかどうかが自然と判断できる。それが大いに役立ちました」

理解してくれない人は深追いしない。理解してくれる人だけに的を絞って資金提供をお願いしていった。

「相手の反応は、私の事業プランに対するリトマス試験紙です。個人は感情でお金を出してくれるかもしれないが、企業の場合は冷静に客観的に判断する。役員会議や監査法人のチェックなど、何度も試験を受け続けるようなもので、そのたびに自分が目指していることが正しいことかどうかを突き付けられました」

株主からの質問が新しいビジネスを創り出すこともあったという。

現在は31社の株主がエリーパワーを支えている。

「最初は何もない状態で、話だけで100億円のお金を集めた。信用だけでお金を出して下さる人がいたのは、僕が本気だということが伝わったからだと思う。蓄電池が本当に役に立つものであると自分に思い込ませないと、他人の共感や支援を得ることはできない。自分を信じ続けることは実は一番難しい。それができたとき、初めて人を説得できるんじゃないでしょうか」

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