イノベーションとしての「カラー」

2008.02.25

営業・マーケティング

イノベーションとしての「カラー」

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

3月15日にデビュー予定。 小田急ロマンスカーの新型車両、 「MSE」

http://www.odakyu.jp/romancecar/mse/index.html

は、清涼感や透明感、豪華さを
感じさせる車体色のブルーが美しい!

この青色は、

「フェルメール・ブルー」

と名づけられています。

そう、17世紀オランダの画家、

「フェルメール」

が好んで用いた色が採用されているのです。
(日経デザイン、March 2008)

デザインを担当した建築家の岡部憲明氏によれば、
当初から大きな課題として挙げられ、

「車体のスタイリング」

と同一レベルで検討を要求されたのが、

「車体色」

だったそうです。

さて近年、商品デザインにおける

「色」

の重要性がますます高まっていますよね。

この背景には、
商品が持つ「本質的な価値」とも言える

「機能や性能」

の次元では、
他社との十分な差別化が図れないから
という企業側の事情があります。

一方、ユーザー側の立場で言えば、
ほとんどの製品カテゴリーにおいて、

現在保有・利用している製品で十分に用が足りている

ということがあります。

機能面や性能面を現行機種より多少向上させたからと
いって、それは

「買い換える理由」

になりにくい時代だということです。

実際、現在家にある様々な製品のことを考えてみると、
自分の解決したかった元々の問題やニーズはすでに
ほぼ解決・充足されていますよね。

新たに買う理由が
ロジカル(論理的・理性的)に考えるとありません。

つまり、「本質的な価値」のレベルでは、
消費者を購入に踏み切らせることができないわけです。

そこで、付加価値的な部分、とりわけ

「カラー」(色使い)

のバリエーションによって、感性を刺激し、

「欲しいから欲しい!」(理屈抜きに・・・)

と消費者に思わせることが
必要になってきたということです。

機能・性能本位だったノートパソコンの世界でも、
スタイリングに加えて、「色」にこだわった製品が
増えてきました。

ソニーやHP(ヒューレットパッカード)は、
花柄やグラデーション入りの製品を相次いで投入してます。

昔からのPCファンは、

「見た目は本筋ではない」

という非難が。

でも、メーカーの機能・性能向上競争にワクワクし、
石(CPU)の処理速度が速くなったからというだけの理由で
買い換えるのは一握りのイノベーターだけですよね。

ソニーの直販サイトでは、
柄入りが選べる機種の販売台数のうち4割が柄入りと、
目標(2割)を軽く超える予想外の売れ行きだそうです。
(日経産業新聞、2008/02/22)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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