ロジカルシンキングを越えて:7.プランニングスタッフの典型的成長過程

画像: ぱくたそ

2018.08.06

経営・マネジメント

ロジカルシンキングを越えて:7.プランニングスタッフの典型的成長過程

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。

笑い話だと思われるかもしれませんが、このような会議、プロジェクトがかつては多数存在したことは事実です。これはなんとかしたい。良心的なコンサルタントが入っている場合はいいかもしれませんが、そんなケースは稀です。

確かに、仮説を作ることは非常に難しい。しかし、そこから逃げてしまって、あなたが仕事をしている意味はどこにあるのでしょう?仮説を、アイデアを作り、それをしっかり論点への解としてまとめる。その作業から逃げないことが大事だと思います。

この段階を越えることは、現在はなかなか難しいのですが、なんとかここを過ぎると、現状改善型の企画はできるようになってきます。

この段階に到達した人は、社内では高い評価を受けられるプランニングスタッフになっていることでしょう。しかし、胃が痛いことがあります。それは何かというと、例えば会社の戦略提案をするような役員プレゼンです。

そこでは、経営者という最大の難関が待っています。これまで培ってきたものを全てぶつけても「そんなことはわかっている」「何か面白くない」「うちではやらない」と言われてしまう。

トップ以外の根回しは完璧にできていたとしても、トップがやらないと言えばやらない。トップが評価しなければ、何の意味もない。この段階を越えることができているプランニングスタッフは非常に少ないと思います。この非常に少ない「企画ができる」人々の悩みのポイントはここにあるでしょう。

トップに「面白い」と言ってもらえない。我々はこの段階を「面白くない病」と名付けました。このレベルでも十分に企画職としては食っていける、社内では独り立ちしてやっていけるレベルなのですが、「企画の達人」としては少し物足りないレベルです。

多少話がそれますが、企業の「雇われ参謀」として、「コンサルタント」として食っていくには、経営者に「面白いね」「面白いね」と言われ続けなくてはなりません。それは緊張の連続ですが、人に「面白い」と言われるのは、けっこう楽しい体験です。コンサルタントとして独立して、クライアントから継続的に仕事を頂けているコンサルタントはこのレベルにあります。

そして、この「面白くない病」を越えられるならば、「民間に資金需要がない」といわれている日本市場に、しっかりとした新規事業を次々に起こしていけると考えています。ここがまさに日本の未来に対してクリティカルだと思います。では、この部分への処方箋は何か?

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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