「いきなり!ステーキ」はなぜ立ち食いになったのか?

2018.06.12

経営・マネジメント

「いきなり!ステーキ」はなぜ立ち食いになったのか?

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南青山リーダーズ株式会社

文化放送The News Masters TOKYO『マスターズインタビュー』。 今回のインタビューのお相手は、「ペッパーランチ」や「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長。 一瀬社長は1942年生まれの75歳。ホテルなどでコックとして働いた後、1971年、27歳の時に独立。 近年は、「いきなり!ステーキ」の急速な出店攻勢をしかけるペッパーフードサービス。 そこにはどのような思いがあったのか、The News Masters TOKYOのパーソナリティ・タケ小山が迫った。

やっぱり肉が好き

今でこそ、ステーキやハンバーグをメインとした肉料理を主体に展開しているペッパーフードサービス。

そもそも、いつからステーキに目を付けたのだろうか?

タケ:
最初に出店したのは『ステーキくに』ですか?

一瀬:
はい。27才で独立し、最初はハンバーグもエビフライもヒレカツもありました。そのなかでステーキをやっていました。

しかし、現在までの未来を予見していた一瀬社長。いずれ、ステーキの時代が来るということで商品をステーキ一本に絞った。

その頃と言えば、牛肉の自由化。これは大きなチャンスになったが、それはつまり他の飲食店にとってもチャンスであった。

その中でどうすれば成長するか、考えた末に一つの結論に至る。

「美味しいもの=厚切り」

一方で、厚切りにすると当然値段は高くなる。

しかし一回食べれば、「旨い!こんなの食べたことない」と感動体験をもたらす自信はあった。

加えて、そうすればリピートしてくれるという確信もあった。

タケ:
なぜ肉を安く?

一瀬:
お客様の喜びは我々の喜びになります。ビジネスは相手に勝たせることが自分の勝ちに繋がります。これは真理です。

しかし、タケの中に疑問が浮かぶ…。

タケ:
なぜここまで肉にこだわったのですか?

一瀬:
自分が大好きなものを売るのが一番大事。さらに魅力のない商品は売ってはいけない。好きじゃなかったら売らない。

その言葉はブレることなく、週3~4でステーキを食べている一瀬社長。

このインタビュー後にも、300グラムのステーキを豪快に切り分けては頬張り、あっという間に平らげ、取材班を驚かせている。

なぜ"いきなり"?なぜ"立ち食い"?

ペッパーフードサービスの一瀬社長は、2013年に「いきなり!ステーキ」を開業。

ここでの立ち食いスタイルが注目を集めた。実はこの店名には一瀬社長の持論が込められていた。

一瀬:
ステーキを食べるときの、一番おいしい食べ方。それはお腹ペコペコの時、いきなりステーキをほおばる。これが一番旨いんです。

タケ:
なぜ立ち食いなのですか?

一瀬:
立ち食いの『俺のイタリアン』が出てきて衝撃を受けました。

世の中のいいものを採用する一瀬流。実行するにしても、大切なのは単なるモノマネではなく、それをどうアレンジするか。

そこで一瀬社長はこんなことを考えた。

一瀬:
ステーキを立ち食いした方が似合う。ぴったりだと直感で思いました。

立ち食いでやるということは値段を下げないといけない。立って食べても価値があると思ってもらわないといけない。

そこでこんな仮説を立てた。

一瀬:
赤坂で『1グラム=10円』で売っていた肉を『1グラム=5円』で売れるのではないか。平均30%程度とされる飲食店の原価率をなんと70%にして、ビジネスが成り立つのか?という仮説です。

しかし、そこにはこんな信念があった。

一瀬:
ステーキ屋なら美味しいステーキがあればいい。

絶対にうまくいくと確信していた。続けてこんな持論も展開する。

一瀬:
人間の本能を刺激するビジネスは強い。『食いたい!』という気持ちが強ければいいのです。

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