「わが社はサービス業である」という意識改革 【連載サービスサイエンス:第23回】

画像: Peter Black

2017.03.28

経営・マネジメント

「わが社はサービス業である」という意識改革 【連載サービスサイエンス:第23回】

松井 拓己
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービス業も製造業も、自分たちはサービス業だという視点に立って自社ビジネスを見つめ直すことで、意識改革のヒントが見えてくる

ただし今まで商品の機能で差別化していた企業が、サービスで差別化をしたり、サービスで価値を発揮しようとすると、大きな壁にぶつかります。それは、「サービスで価値を発揮するための商品づくり」ができないということです。今までは、機能やコスト、開発期間ばかりに精力を注いできたため、出荷されてからの「サービス」はテリトリー外だという意識で商品づくりをしてしまうのです。これでは、サービスでの差別化はできません。これからは商品づくりの段階から、いかにサービスで価値を生み出すかを検討し、盛り込む必要がありそうです。

サービスだけを販売する

最近は、商品の販売から派生してサービスだけを販売して成功する企業がたくさん出てきました。有名なのはアメリカのGEです。GEは、航空機のエンジンを製造して航空機メーカーに販売していました。しかし最近は、ANAやJALのような航空会社から航空機エンジンのリース料と保守・メンテナンス料を徴収するビジネスを展開して成功しています。他にも、ゲームコンテンツやビジネス用ソフトウエア、カーシェアリングなど、様々な業界でサービスだけを販売するビジネスが注目を集めています。

メーカーも意識の転換を

いずれにしても最も重要なのは、それまでの意識を変えることです。サービスで競争優位を築き、差別化できている企業は、サービスを事業の中心に据えて、どうすればサービスの価値を高められるのかに情熱を燃やしています。その結果、価値あるサービスを生み出し、お客様と一緒にサービスを磨き上げることができているのです。一方で、サービスを「おまけ」として捉えたり、本業のついでにサービスにも取り組んでいるような企業は、苦戦する傾向があるようです。

例えばメーカーが「製品を売るついでにサービスにも取り組んでいる」という意識にとどまっていては、サービスを競争優位にすることはできません。 「私たちは、製造も行うサービス業なんだ」と意識を転換させてみるのです。その意識で作られた製品は、大きな差別化が実現できるはずです。逆に、IT企業や外食業、保険会社や小売業など、本来はサービス業であるにもかかわらず意識が製造業化してしまっている企業はあるのではないでしょうか。

まずは、「我が社はサービス業である!」という意識を高めること。そして、サービスの本質を理解した上で、全社一丸となってサービスに本気になることが、サービスで競争優位を築くための第一歩になるのです。

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松井 拓己

松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。           代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新

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