沈没事故の衝撃に韓国社会は目を覚ますのか

画像: Vincent Lee

2014.04.24

ライフ・ソーシャル

沈没事故の衝撃に韓国社会は目を覚ますのか

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

旅客船「セウォル号」の沈没事故は、韓国社会に空前の衝撃と深刻な自己反省をもたらしつつあるようだ。さて今後、その反省がどこに向かうのか、見守りたい。

要は、こうした海難事故に備えたマニュアルも訓練経験もなかったため、「司令塔」が機能していない状況だったのです。

こうした事態を受け、韓国内では「歪んだ社会が子供たちを殺した」という強い慚愧の声が上がると共に、リーマンショック以来荒み切った韓国社会にも幾つかの変化も芽生えているようです。

まず、2009年11月に日本で発生した同様のフェリー事故(ありあけ号、三重県の熊野灘にて)で死亡者ゼロだったことが韓国内で注目されているそうです。これを見ると、事故後の対応の違いが生死を分けたことが明らかです。

http://www.asahi.com/articles/ASG4P5K25G4PUHBI02M.html

また、日本に対する強硬な発言も多い中央日報の社説が強烈に自己反省を促しました。いわく、「…1国のレベルと能力も災難と困難が迫った時に分かる。韓国のレベルは落第点、三流国家のものだった」と。これはまさに、韓国が目指してきたものは何だったのかとの深刻な問い掛けを発するものです。

http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=184378&servcode=100§code=110

やがてこうした自己反省が真っ当な方向に向かってくれれば、自らの社会がどういう姿を目指すべきかという議論も起きるでしょう。ちょうど東日本大震災と福島原発事故が日本社会にもたらしたように。

「目先の利益追求を最優先するのではなく、安全と安心そして他者の存在を大事にしよう」(これが本来の儒教社会のはずです)と韓国社会全体が考えるようになるでしょうし、「それをずっと前からできている日本を見習おう」という声も上がるのではないかとも期待できます(甘いでしょうか?)。

そしてよく考える人たちからは、「米国やカナダで反日活動(抗日連合会など)に多額の税金を使っている場合じゃない。自分たちの社会をまともにするために税金を使うべきだ」「ひがみ根性から日本を貶めようと中国と手を結ぶことは自らの国を滅ぼす道だ」という冷静な声が上がることを期待したいものです。

ここで日本人として心しておかなければと思うのは、悲嘆に暮れる韓国社会に対し人間としての礼を失した「天罰だ」などといった言葉は投げつけてはいけないということです。どれだけ近年の韓国が日本に対し非礼を重ね侮蔑の言葉を投げてきていたとしても、です。

例えば、安倍首相が「セウォル号の捜索に全面協力する」との姿勢を見せながらも同じ日に靖国神社に供え物を奉納したことで、「隣国に対し最低限の礼儀もない無恥の極み」という声明を韓国議員100人あまりが出したそうですが、そうした無礼さに対しては「ならば仕方なし」と無視すればよいのです。ムキになって同じレベルで口汚く罵り合うことは日本人の品性を下げるだけです。

数十年経って、韓国がまともな市民国家になっていればもちろん、もし中国の属国と化していたとしても、「あのころから日本と仲良くしていればなぁ」と彼らが反省することは間違いないのですから。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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