誰かが見ていてくれるということ

2009.08.30

組織・人材

誰かが見ていてくれるということ

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

「頑張っていれば誰かが見ていてくれる」というのは、今やうそ臭いかもしれませんが、私はまさに見ていてもらったほうです。みなさんは見てもらえていないかもしませんが、でも、でも、誰かが見ていてくれるものだと思うのです。

 大黒パーキングエリアをテレビでフッと見たとき、よくドライブに行ったことを思い出しました。

 私の知人はBMWが好きな人が多かったような・・・。いや、親父もBMWに乗ってますね・・・。コンサルティング会社で仲が良かった友人は、真っ赤なBMWに乗って、私は助手席に乗せてもらっていましたね。首都高を激走していたと思います。

 私はコンサルティングに新卒で入ったものの、なかなか大変でした。私は一応、東大なのですが、一番低学歴でしたね・・・。

 たいていの方は、理系だと、博士号、修士号を持っていました。いや、文系でも修士号を持ってらっしゃる方もいらっしゃいました。

 学士卒だと、経済か経営の卒業で。文学部は私だけ。

 お仕事は当然、経営のお話しばかりなので、私には当初、意味不明でした。

 はじめは、しょぼいと言うとなんですが、リサーチ的な仕事ばかりで、ある程度しっかりしたプロジェクトをやらせてもらえる感じがしませんでした。他の人たちはいろいろやってるのにな、と思っていたのですが・・・。

 でも、一生懸命やりました。全然だめでしたけどね。

 で、真っ赤なBMWに乗った仲良しな友人は、バリバリしていました。彼は経営学科を出ていて、会計とマーケティングのゼミでした。もう、コンサルティングに入るのが自然な人でした。その会社の後、いろいろと有名企業を渡り歩いています。

 そんな彼は、私を多少は評価してくれていたようで、ある大きなプロジェクトがあった時、私を巻き込んでくれました。

 ディレクターに、「プレ調査の計画は伊藤さんがやっている」という半分ウソをついて、「じゃあ、このプロジェクトは伊藤さんいれようか」ということにしてくれたんですね。

 それでめでたく、大きなプロジェクトの初めての経験が出来ました。当時、ありがたかったけど、その本当の意味というか、本当のありがたさはわかりませんでした。今ならわかります。私はそのプロジェクトで、はじめてコンサルティングの基礎を学んだようなものでした。

 このプロジェクトがなければ、今の私はなかったように思います。

 私がこの仕事に入った時、はっきり言って足手まといだったと思います。でも、必死でした。全てが新鮮でした。

 事業会社に移ってからも、同じようなことがありました。

 当初、コンサルティングのスタイルで仕事をしようとすると、なかなかうまくいかない。そして、上司とぶつかる。そして、干される。仕事がつまらないものばかりになる。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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