​日本は沈没船なのか? その実情と処方箋

2023.10.11

経営・マネジメント

​日本は沈没船なのか? その実情と処方箋

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

まず、沈没船なのかを読者の皆さんが判断いただく材料(データ)を前半で提示します。 後半は、私が見続けている現場・現実から、私が今の組織が抱える課題を組織と人材の観点から 課題と処方箋を提案しています。 ここから皆さんの日常に小さなチャレンジが生まれたら素敵だと思っています。 まだ諦めていない方が多いことを願っています。

これは学校教育の弊害なのでしょう。

自覚なしに多くの人達は答え探しをしている。ググって出てきた情報を答えと勘違いしている。それはただの情報です。しかも正しいとは限らない。

多角的な情報を集めることは良いと思います。それを自分の頭で考えて最終的なアイデアへと収斂していく。それが思考です。それをしない、できない人を多く見かけます。

そして多くの人が、学習を答え探しのプロセスと勘違いしている。さらに、正解は1つという刷り込みもあるようで、まさに多様性を自らが封印している。

一般的な教育機関は知識付与と答え探しを提供するばかりで、本当の学習を学ぶ機会は少ない。ただ漫然と与えられるものを重要しつづけることに真の学びはない。

であるならば自らが自腹と時間を割いて自分に本当に必要な学び(機会)を探し、日常の中に自らを真に成長させる、自分にとっての学びを創造していくことが必須となる。

このチャレンジが個々に問われている。

◇企業

同様に企業での人材育成も壊滅的である。我々、組織開発や人材開発に関わる者の共通の課題がある。

「日本中で若手が育っていない」

誤解しないで欲しいのだが、若手だけが育っていないわけではない。

日本は先のデータで示した通り、人材開発への自己投資も企業投資も惨憺たる現実がある。

その中で「若手」と上げたのは、日本の未来を考えるとき、若手の成長が最大の希望だからです。

実のところ様々なデータを見ていくと、40代よりも20代の自己投資は更に低迷している。

相変わらず、企業の育成投資のボリュームゾーンは中堅リーダー、つまり課長職に集中している。

結果、名ばかりの新人研修を終えた後は、まったくの放置状態が続く。

企業によっては次の研修を受ける機会は10年先も珍しくない。

職場内のOJTが機能しているのであれば、救いもあるが、現場の管理職に育成力がない。

それはむしろ当然である。自己の能力開発もままならない状態で、部下の育成能力を高める努力をするリーダーがどれほどいるだろう。

私は今の日本の組織パフォーマンスを劇的に高めるためには、プロのリーダーの育成が急務だと言ってきた。プロのリーダーとは組織や人材の状況や実力を洞察し、的確な指導育成ができるリーダーを指します。そのためには多様な教育やマネジメントテクノロジーを学び実践する必要がある。

もちろん、私が提供している学びもそれに当たる。

ところが残念なことに、事なかれ主義、前例踏襲を基盤とした、この国の組織マネジメントは、いまだに昭和のまま、時代に合った変革に目を向けようとしない。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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