​日本は沈没船なのか? その実情と処方箋

2023.10.11

経営・マネジメント

​日本は沈没船なのか? その実情と処方箋

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

まず、沈没船なのかを読者の皆さんが判断いただく材料(データ)を前半で提示します。 後半は、私が見続けている現場・現実から、私が今の組織が抱える課題を組織と人材の観点から 課題と処方箋を提案しています。 ここから皆さんの日常に小さなチャレンジが生まれたら素敵だと思っています。 まだ諦めていない方が多いことを願っています。

変わらない日本に自分には変えられない諦めが蔓延している。

この調査は毎年行われているが、傾向は大きく変わらない。

◇社会人の意識調査

私は長年、組織開発・変革のコンサルタントをしている。その現実をこのデータは物語っている。

アジア太平洋地域(APAC)14か国(中国、韓国、台湾、香港、日本、タイ、フィリピン、

インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インド、オーストラリア、ニュージ

ーランド)の就労している20歳から69歳までのアンケート調査をまとめたもの(2019年)

【問1:あなたは現在の会社で管理職になりたいですか】

1位:インド(86.2%)、14位(最下位):日本(21.4%)

皆さんは、このデータを見て、どう感じただろうか。

私は、すぐに信じることができなかった。

これが事実なら日本で管理職になりたい人は約5人に一人ということになる。

即刻、クライアント先のプロジェクトメンバーの若手(20代)数名に、同様の質問を投げかけてみた。返ってきた回答に更に衝撃を受けた。

「管理職になるなんて罰ゲームじゃないですか・・・」

これは20代後半のプロジェクトメンバーの回答です。いつも辛そうにしているリーダー、高給であるならともかく、リーダーとの給与差はそれほどでもない。

割に合わない。そもそも魅力的なリーダーが見当たらない。

更に、他の部長職が集まるセミナーでこの話をしていたとき、参加メンバーの一人(部長職)からこんな話を聞いた。

ある優秀なメンバーにリーダーへの昇進の話を持ち掛けた。すると彼はこう答えたという。

「リーダーになるなら会社を辞めます」

もはやこの国では管理職やリーダーになることは「罰ゲーム」なのだ。

だとしたら、昇格昇進を柱とした人事制度に意味はあるのだろうか。

【問2:あなたの職場はどのような風土ですか】

この問いは、風土に関する選択肢が幾つかあり、その中で自組織が当てはまると感じたものを選択し、そのパーセンテージで順位付けをしている。

まず、14か国全体のTOP3は下記の通りになっている。

1位:チームとして1つにまとまっている(87.8%)

2位:一致団結して目標に向かっていく雰囲気がある(86.8%)

3位:自分勝手に仕事を進める人よりも、和を重視する人の方が評価される(85.1%)

とても前向きな印象を受ける。そして、日本のTOP3は下記の通り。

1位:上層部の決定には、とりあえず従うという雰囲気がある(80.2%)

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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