購買契約条件と交渉材料

画像: はむぱんさん

2018.04.04

経営・マネジメント

購買契約条件と交渉材料

野町 直弘
調達購買コンサルタント

先般日本年金機構の年金受給者の申告書の入力モレや入力ミスによる源泉徴収額が誤った事案が発生しました。発表情報によると、この事案は再委託禁止になっているにも拘わらず入力を(中国企業に)再委託しており、多くのミスが発生したとのことです。この事案の裏側に潜む課題について考えてみましょう。

他にも契約ターム寄りの契約条件もあります。今回事案で注目された再委託禁止の条項以外にも、LOL(損害賠償規定)、Liquidity Damage(納期遅延時の予定損害賠償金)、Warranty(保証期間)、故意または重過失の際の条件付加などなどです。このような様々な購買契約条件がありますが欧米企業はこれらの購買契約条件全てを交渉材料にしており、相互に確認しながら交渉を進めていくのが当たり前です。
日本企業のように契約条項は法務マターであるという考え方は間違えです。

これはあるバイヤーの方から聞いた話ですが、欧米では契約書をDivorce Document (離婚書類)と言うそうです。
これは契約書が本当に効果を発揮するのは,取引を開始する相手方と友好関係にある場合ではなく、もめ事に発展した場合だということを意味しています。紛争になったら書面として残っている契約書を解釈して解決するしかないからです。これから結婚(取引開始)しようという盛り上がっている時期にも離婚(取引決裂)の場合のことを頭の片隅に入れながら交渉を進める必要がありますよ、という意味が含まれています。

このように様々な購買契約条件がありますが、これらの広範囲な契約条件を交渉材料としなければよい交渉はできません。今回の事案を通じて改めて購買契約条件の意味をと交渉材料を広げることの重要性を感じさせることにつながったと言えるでしょう。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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