2014年には2235枚もの偽札が!話題の偽札事件と、日本の紙幣偽造防止技術

2018.02.20

IT・WEB

2014年には2235枚もの偽札が!話題の偽札事件と、日本の紙幣偽造防止技術

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今年に入って、ネットニュースなどで話題になっているのが偽札事件だ。 1月21日には、中国広東省で公安当局が日本円にして約37億円の人民元の偽札を押収したと報じられ、日本の池袋でも偽の1万円札を使用したベトナム国籍の容疑者が逮捕。 またtwitterでも偽札が出まわっていると話題になっている。 いずれも穏やかな話ではないが、お金の歴史はその誕生のころから“偽もの”との戦いの歴史でもあった。そこで、実態がないネット上の仮想通貨が脚光を浴びる今、あえて紙幣の偽造防止の技術について説明しよう。

2014年には、なんと国内で2235枚もの偽札が!

偽札が増えると紙幣に対する信用不安が高まり、価値は下がる。一方、モノやサービスの価値(価格)は上がり、ハイパーインフレが起こる危険性がある。
偽の通貨を造った場合、刑法148条によって「無期又は3年以上の懲役に処せられる」ことになる。また偽札とわかっていながら使用したり、他人に渡した場合も罰せられることになる。
警察庁の資料から「偽造通貨の発見枚数」を見てみると、近年の偽造通貨の発見状況は次表の通りとなっている。

日本の紙幣は偽造されにくいイメージが強いが、2014年には2235枚もの偽札が発見(押収したとして都道府県警察から警察庁に報告のあった枚数)され、驚くべき枚数の偽札が世に出回っていることになる。世の中に発見されていない偽造通貨はいったいどれくらいあるのだろうか?

通常印刷物に、無許可で“すかし”を入れるのは法律で禁止

現在、紙幣に採用されている偽造防止技術は、人の感覚によってわかるものと、道具を使用してわかるものがある。
まず、誰もが知っているであろう「すかし技術」。
紙幣の中央部分には、光にすかすと肖像が見えるようになっている。さらに、人物の画の横にも「すき入れバーパターン」と呼ばれるすかしが入っていて、光にすかすと縦の棒が見える。
すかしは紙の厚さを変えることによって表現しており、白く見える「白すかし」、そして黒く見える「黒すかし」の二つを組み合わせている。特に「黒すかし」は、「すき入紙(すきいれがみ)製造取締法」によって「政府、独立行政法人国立印刷局又は政府の許可を受けた者以外の者は、これを製造してはならない」と、許可なく黒すかしを入れた紙を印刷することは禁止されている。

すかしの技は江戸時代から。お札の偽造防止で最もポピュラーな方法のひとつ

“手触り”で偽造を防止する

また、お札の肖像や額面の数字などの図柄が凹版印刷によって印刷されている「深凹版印刷」は、インクを高く盛り上げて印刷する方法だ。
触覚(手触り)でわかる技術のひとつである「深凹版印刷」は、まず凹んだ部分にインクを入れたうえで、強い圧力をかけて紙に印刷するため、インク部分が盛り上がる。そしてこの独自の印刷技術によって、紙幣の独特の手触りが生まれる。さらに、日本の紙幣偽造防止技術は非常に高いレベルにあり、視覚障害者が指で触ることで紙幣の種類を識別する識別マークも、ただ識別するだけでなく偽造防止にも役立てられている。

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