クルマは100年に一度の大転換期に!?──世界で加速するEVシフト《Part.1》

2017.12.22

経営・マネジメント

クルマは100年に一度の大転換期に!?──世界で加速するEVシフト《Part.1》

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世界では今、ガソリン・ディーゼル車から電気自動車(以下・EV)へ移行する「EVシフト」が加速し、自動車業界は100年に一度といわれる大転換期を迎えようとしています。 近年、環境規制の強化に取り組む欧米・中国では、国が主導となってEV普及に向けた政策を推進。これを受けて大手自動車メーカーはEVの本格投入を次々と発表し、将来の市場シェア獲得に向けて早くも軸足を移し始めています。 世界で急速に広がるこの変化が、日本の自動車メーカーや産業構造にどのような地殻変動をもたらすのか……。欧米・中国・日本における最前線の動きを追いながら、2回シリーズで探っていきます。

欧米で強化される「ガソリン・ディーゼル車の販売規制」

2017年に入って、ヨーロッパ各国を中心にEVシフトの動きが活発化しています。

フランス・イギリスの政府は、2040年までにガソリン・ディーゼル車の販売を禁止すると決定。同じく2025年までにガソリン・ディーゼル車の廃止を掲げるノルウェーとオランダでは、EVの税制優遇や充電スタンドの拡充などを積極的に推進。EV購入時の大幅な税金免除(25%の消費税+約100万円の購入税を免除)や、高速道路無料などの優遇策を導入したノルウェーでは、すでに新車販売の2割をEVが占めるまでになっています。

また、アメリカ各州(カリフォルニア州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、コネチカット州、メイン州、ニュージャージー州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州、メリーランド州)でも、日米の大手自動車メーカー6社を対象に、排出ガスを出さない次世代車(※)の販売割合を14%以上に義務づける「ZEV規制」を導入。2018年からは販売割合が16%以上に引き上げられ、対象メーカーも日・米・韓・独の12社に拡大されるなど、規制基準がさらに厳格化されます。
※EV(電気自動車)、FCV(水素を使った燃料電池車)、PHV(プラグインハイブリッド車)が対象

独VWに続いてEV強化の戦略に出た欧米自動車メーカー

こうした流れにいち早く呼応したのが、2015年にディーゼル車の排ガス不正が発覚した独フォルクスワーゲン(VW)です。主力車種の不正問題で窮地に立った同社は、2兆6千億円の開発資金を投じ、2025年までに50車種以上のEV導入を目指すと発表しました。大胆なEV転換で起死回生を狙う野心的な目標に、国内外の業界からも驚きの声が上がっています。

本気で巻き返しを図るVWに触発され、他の大手自動車メーカーもEV強化の戦略を打ち出しています。独メルセデスベンツとBMWは、急ピッチでEVの量産体制を確立させ、人気車種の完全EVモデルを2020年までに販売すると公表しました。環境立国であるスウェーデンのボルボカーズも、2019年以降に発売する全車種にエレクトリックモーターを搭載し、電動化を将来の事業の主軸に据えると宣言しています。

さらに、EVブームの立役者となった米テスラも、従来の高級路線となるハイグレードなEVに加え、価格を3万5千ドル程度に抑えた普及型モデルの販売を開始。富裕層にとどまらない顧客層を取り込むことで、受注は約50万台に達したと言われています。

次のページ国を挙げたEVシフトで、自動車大国を狙う中国

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