料理人が嫌だった「アル・ケッチァーノ」のシェフ。成功に導いた“魂のスイッチ”

2017.10.31

経営・マネジメント

料理人が嫌だった「アル・ケッチァーノ」のシェフ。成功に導いた“魂のスイッチ”

LEADERS online
南青山リーダーズ株式会社

山形県鶴岡市のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ・奥田政行さん。地元・庄内産の食材を使って自由自在においしい料理に仕立てる奥田マジックは国内だけでなく世界からも注目を集めている。タケ小山が奥田シェフの果てることのないパワーと魅力の根底にある“想い”を探った。

「高校生の頃、バドミントンに夢中で必死で練習もしたのでかなり上手になって、1年生の後半からはレギュラーになって試合に出してもらっていたんです」

どんなことでも夢中になると、寝食も忘れて取り組む性格なのだ。

「2年生の終りのインターハイ予選では、インターハイ選手との試合で『あと一点』で勝つ、というところまでいったんです」

だが、相手の選手を応援する人たちに囲まれて完全にアウェイの環境の中であと一点が取れずに、ついにひっくり返されて負けてしまった。話を聞きながら「ああっ」と残念がるタケ。

「だけど、その後も大人に混じって練習を続けて自信もあったから先生に『国体予選に出してください』とお願いしたんです」という奥田シェフに、「おっ、いいですねぇ」とすっかり応援モード。

「でも、出られなかったんですよ」

なんと、国体予選の日程は修学旅行と重なっていたのだ。国体予選の方にどうしても出たいと懇願した奥田シェフだったが、先生からはいともあっさりと「何を言ってるんだ、国体予選に出たって勝てるわけない。無理に決まってる」と言われてしまった。

結果、修学旅行先の台湾で友人たちとのふざけが過ぎて、あわや退学?の危機に瀕することになってしまった奥田シェフは、「その時に学習したんです」とこう続けた。

「あの時、一点を取れなかったから試合に負けて、一気に転がり落ちた。チャンスは絶対に取らないといけない。男は結果を出さないと、引き上げてもらえない」

この時に見つけた“真実”は、この後もずっと奥田シェフの人生を支えることになった。

1億3000万円の負債を抱えて

東京のレストラン万葉会館のイタリアン部門で働きだした奥田シェフだったが、ある日友人と食事をしたフランス料理店のジャガイモ料理の美しさとおいしさに出会ったことで、やはりフレンチをやりたいという想いが再燃した。

「すぐにそのお店で働かせてくださいってお願いしたんですが、断られたんです」

そこで、こう考えた。

「フランス菓子の勉強をしよう。デザートが作れれば、きっと雇ってもらえる」

思い立ったら行動の人である奥田シェフは、そのあとすぐにフランス菓子のお店で修行を始めた。イタリアンで働きながらの二足目のわらじ。しかも、「ただ働きで勉強させてもらったんです」とのこと。

忙しくも夢に向かって順調に進んでいた奥田シェフに、ある日、一本の電話がかかった。父親が経営コンサルティングを名乗る人物にだまされて小切手を悪用されたために、1億3000万円の負債を抱えてしまったという連絡だった。驚いて帰省すると、それまでは「困っている人がいたら助けるんだよ」と言っていた父が、すっかり人間不信になっていた。二十数人いた従業員のほとんどが店を去って、残ってくれたのはたった一人という状況だった。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

LEADERS online

南青山リーダーズ株式会社

専門家による経営者のための情報サイト

フォロー フォローしてLEADERS onlineの新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。