「のれんは血よりも濃い」 船橋屋代表取締役 八代目当主 渡辺雅司 〜老舗ファミリー企業が守る伝統と攻める経営〜

2017.08.21

経営・マネジメント

「のれんは血よりも濃い」 船橋屋代表取締役 八代目当主 渡辺雅司 〜老舗ファミリー企業が守る伝統と攻める経営〜

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「人がおいしいものを口にしたとき、自然とこぼれる笑顔は幸せの証。その一つひとつがつながることで、心豊かな社会が実現する」こんな思いのもと、江戸固有の和菓子「くず餅」の製造販売を手がける「船橋屋」は、江戸時代から続く創業211年の老舗企業だ。歴史と伝統だけに頼るのではなく、平成の世に合う経営革新で会社を発展させる8代目当主、渡辺雅司氏にくず餅の持つ知られざる魅力と、医療や健康分野への展開計画などについて聞いた。(聞き手:早川周作・経営コンサルタント)

「人がおいしいものを口にしたとき、自然とこぼれる笑顔は幸せの証。その一つひとつがつながることで、心豊かな社会が実現する」こんな思いのもと、江戸固有の和菓子「くず餅」の製造販売を手がける「船橋屋」は、江戸時代から続く創業211年の老舗企業だ。歴史と伝統だけに頼るのではなく、平成の世に合う経営革新で会社を発展させる8代目当主、渡辺雅司氏にくず餅の持つ知られざる魅力と、医療や健康分野への展開計画などについて聞いた。(聞き手:早川周作・経営コンサルタント)

450日かけて熟成させたくず餅はたった2日の命

早川)「くず餅ひと筋まっすぐに」を企業理念とし、200年以上の歴史を持つ船橋屋。くず餅や社名のルーツを教えてください。

渡辺 くず餅は東京の東側から下総・千葉にかけて、江戸時代に農家でおやつとして食べられていたものです。小麦粉を水で溶いて、黒砂糖をかけて食べていました。もともと先代は船橋大神宮の横で豆腐屋をやっていたんですが、にぎわいのあるところでくず餅を商品化して売ってみたいと、亀戸天神の参道で売り始めたのが始まりです。亀戸なのに「なぜ船橋」と思われるかもしれませんが、屋号は出身地から取っているのです。

早川)くず餅を作る上でのこだわりや、独特の食感を生み出す秘密などはあるのですか?

渡辺 あまり知られていませんが、くず餅は和菓子唯一の発酵食品なんです。小麦粉を洗ってグルテンを除去し、残ったデンプンを発酵させて作っています。この弾力は蒸しただけでは絶対にダメで、発酵過程を経ないと出ないんですね。その期間は300日でも500日でもダメで、450日がベスト。今、食べているくず餅はなんと450日前に仕込んだものなんです。ワインのように、仕込んだ年の気候によって、味が変わることもあります。夏が猛暑だと発酵が進み、より一層、弾力が出て、とてもおいしくなります。

実は以前に比べて発酵臭を抑えています。ヨーグルトや納豆は酸っぱくても発酵食品であることを認知されているので大丈夫なのですが、くず餅の場合はそうではないので、「匂い」を消しています。そのほか、仕込みの間にクリスタルボウルの音色を聞かせています。イロイロ試しましたが、これが一番良かった。おいしさの秘密です。また、発酵させるために450日も寝かせるので、仕込み水が大事になります。岐阜と沖縄に工場がありますが、天然水をくみあげて使っています。

早川)450日間、発酵させた商品の賞味期限は2日だそうですね。

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