組織の発展と手段の目的化

2014.06.13

経営・マネジメント

組織の発展と手段の目的化

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

知らず知らずのうちに手段と目的が入れ替わっていることはありませんか?

今回は読者の皆様が耳が痛くなるようなことを一つ取り上げます。。
(あくまでも一般的によくある話で、特定の企業さんの話ではないのでご理解ください。)

改革当初や立ち上がったばかりの組織などの未発達な初期段階では、分かりやすくシンプルな目標を持つことはとても重要です。分かりやすい言葉や目標でないと、多くの人を動かすことは難しいからでしょう。

調達・購買部門の改革を例に上げると、例えば「一般競争入札の実施」であったり、「相見積りの義務付け」、「集中購買の徹底」や「購買システムの利用」だったりします。

しかし、時間が経ち組織が発展するに連れて、このようなシンプルな目標を掲げることが弊害につながることも少なくありません。これは手段が目的化してしまうリスクと言えます。
例えば一時期新しい購買ツールとして注目された「リバースオークション」などは最たるもの。「リバースオークション」を活用することで交渉の自動化を図り、業務の効率化を目的とするものが、「リバースオークション」をすること自体が目的化し、競争環境もできていない条件下で無理な活用を行うことでサプライヤさんとの関係に歪みが生じてしまい、最終的には「このツールは使えないな」と活用されなくなってしまったことなどが具体的な例としてあげられます。

また、「相見積りの義務付け」もそうです。ユーザーは今までの実績や総合的な観点から、あるAというサプライヤに発注したい、にも関わらず調達・購買部門がルールに基づき、無理に「相見積り」を実施する。結果的に最安値だが、実力のないサプライヤが選定されてしまい、発注したものの「安かろう悪かろう」になってしまう。それ位なら良い方で、場合によっては「モノが作れない」とか「動かないシステム」になる。

こういうことを繰り返していると調達・購買部門の社内的な評価は地に落ち、ユーザーは表面的に「相見積り」を取るものの、選定したいサプライヤに特定の情報をリークするようになる。また調達・購買部門に対しての信頼感は全くなくなり、「ルール通り相見積りとっているからいいでしょ。」ということにつながってしまう。
ありませんか、このような状況。
ここでの目的は「相見積り」を取ることではなく、QCDで最適なサプライヤを選定することなのに、段々と「相見積り」を取ることだけが目的化していく。

このように改革当初は組織を動かす原動力につながるシンプルな目標も、ある段階で見直しを図り、根底にある目標や目的を見誤らないようにすることが必要です。
当たり前ですが、このような組織は社内からも社外からも評判が良くありません。
よく聞かれる声としては「調達・購買部門はコストばかり気にしていて我々の邪魔
ばかりする」だとか「調達・購買は何をやるための部署なのか理解に苦しむ」とか。
そうすると「うちの会社の調達・購買部門の地位は低いから・・・」と自分たちの責任であるにも関わらず、会社のせい、他部門のせいにすることが始まるのです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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