調達購買を巡る昨今の動向

2014.04.03

経営・マネジメント

調達購買を巡る昨今の動向

野町 直弘
調達購買コンサルタント

昨今の調達購買に関する興味深い動向について考察を述べます。

私の手元に調達購買に関する興味深い記事が3本ほどあります。

まず1本目は購買ネットワーク会の幹事である日本IBMの寺島さんからご紹介が
あったもので、米国アップル社のCEOであるTim Cook氏の株主総会での発言に関する記事です。
http://www.forbes.com/sites/stevedenning/2014/03/07/why-tim-cook-doesnt-care-about-the-bloody-roi/

リンクはForbesの記事になりますが分かりやすく書かれています。

内容はアップル社の株主総会で株主の一人であるシンクタンクから「アップル社のEnergy Sustainability Programについて、それにかかっているコストの公開を求め収益へ貢献していることだけ実行すべきである。」という指摘をしたのに対してTim Cookは声を荒げ「こういう取組みに対してROI(Return on Investment:投資収益率)云々は関係ない話だ。」「ROIだけにフォーカスした経営を期待するのであれば、株を売っていただいて結構。」という発言に関するものです。

この記事ではこう書いてあります。『これは環境問題、労働者の人権保護、その他のすぐに利益を生まない中長期的な課題に対する取組みも全く同じことが言える』と。
また、『ROI至上主義は20世紀型の古臭いマインドセットであ。米国企業はこの短期的収益を追求させることで多くの企業がダメになった。それに対して21世紀型の創造的な価値観とは、アップル社のように顧客に(総合的に)価値を与え続けることで短期でも中長期でも大きな収益を取っていく企業モデルである』とまで言い切っています。

以前このメルマガ(ブログ)でも触れましたがアップル社はサプライヤ責任に関する進捗報告書を毎年発表しています。また主要サプライヤリストも毎年公開しています。
今年の進捗報告書では451件の監査を実施しており、150万人のサプライヤ従業員を対象にトレーニングを実施するなど、膨大はコストをかけています。
弊社で実施してきた過去の調達・購買部門長向けのアンケート調査でも多くの日本企業でサプライヤのCSRを最近重視する傾向がありますが、正にそれを象徴するような事件(?)だったと感じます。

2本目は2014年3月20日付の日本経済新聞電子版に掲載されたソニーの記事です。
「ソニー、部品メーカー選別 4分の1の250社に」というものです。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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