「人の気持ちがわかる」には?

2007.04.17

仕事術

「人の気持ちがわかる」には?

野口 昭彦
株式会社ライトワークス ディレクター

人の気持ちがわかる・場の空気が読めるために必要な知識・スキルのひとつである表情分析について紹介します。

「人の気持ちがわかる」、ひいては「場の空気が読める」等々は社会人として重要な能力として捉えられていますが、どうすればそれができるようになるのか、についてはなかなか即効薬は無さそうです。本には「いい聞き手になって相手の気持ちを引き出す」、「相手が何を言いたがっているか、聞きだす」、等々いろんなことが書いてありますが、それはそれで難しそうです。
いわゆるソフトスキルの常として、やはりさまざまな経験を通して身につけるもの?あるいは生まれつきの得手不得手が大きいのでしょうか。

ただ、形式知化された知識として身につけられるものもあります。それは、人の表情に関する基本知識です。

人には7つの基本表情があります。「喜び」「怒り」「悲しみ」「恐れ」「軽蔑」「嫌悪」「驚き」です。それぞれの感情が起きた場合にどのような表情が現れるかは明確に記述できるのです。例えば、驚いた場合には、眉が上がり、白目が黒目の上に現れ、口は緊張が無く、顎が下がる形で開きます。

この7つがなぜ基本表情と呼ばれるかというと、それぞれの表情が単一の感情と結びついていること、それぞれの表情があらわす感情は洋の東西・文化の違いを問わず変わらない(例えば、日本人の驚いている顔をパプアニューギニア人に見せると「驚いている」と答える)ということのためです。他にもあるのでは、という気もしますが現在確認されているのはこの7つということです。

この7つはきわめてわかりやすく、「怒り」や「喜び」の表情なんて、わざわざ学ばなくともわかっている、という考えの人がほとんどでしょう。
ただし、実際に写真を見せてテストしてみると、同じ写真でも他人と違う解釈をする人は少なくありません。例えば乱暴な子供は、無表情の写真を見て「自分を威嚇している」と解釈する傾向があるということです。威嚇されていると思うので、正当防衛のつもりで手を出してしまう、という理屈です。大人でも同様の人は知らず知らずに快適でない社会生活をしている可能性があります。
これは極端な例としても、真実の笑いと愛想笑いの区別ができなくて困ったことはないでしょうか。あるいは自分は本気で笑っているのに愛想笑いに見られたり、とか。この区別も知識があればできることです。
ポーカーフェースの人の感情は読み取れないのでは、という人もいるかもしれません。しかし、熱いものにさわると手を引っ込めるのと同様、怒ったり驚いたりすると必ず表情に出ます。ただ、ポーカーフェースの人はその時間が短い・度合いが少ないので見分けにくいのです。わたしもまったく無表情に見える人の顔をコマ送りで見ると、ほんの一瞬すごい怒りの表情が現れて驚いたことがあります。このような一瞬の表情をMicro Expressionと言いますが、これを認知する能力も訓練により鍛えることができます。
アメリカのFBIやCIAなどでは、この種の訓練を導入しているそうです。

日頃から「人の気持ちがわからない」「場が読めない」と困っている人は興味を持つといいトピックかもしれません。もちろんこれだけが万能ではありませんが・・・。

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野口 昭彦

野口 昭彦

株式会社ライトワークス ディレクター

東京大学大学院理学系研究科化学専門課程修了。スタンフォード大学大学院コンピュータサイエンス科修士課程修了(MS)。日本IBMにて、ネットワークを使った新規事業立ち上げ等のプロジェクトに従事。ボストンコンサルティンググループ等で経営戦略コンサルティングを実施。ライトワークスではスマートデバイス等を利用したラーニングサービスの企画を手掛けている。

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