バイヤーに求められる判断

2012.12.07

経営・マネジメント

バイヤーに求められる判断

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

調達・購買・資材部門の担当者に求められる最も重要な判断は調達決定です。 調達決定とはサプライヤ、価格などの契約先、契約条件の決定です。 このプロセスは「ソーシング決定」とか単に「ソーシング」ともいいます。

調達・購買・資材部門の担当者に求められる最も重要な判断は調達決定です。
調達決定とはサプライヤ、価格などの契約先、契約条件の決定です。
このプロセスは「ソーシング決定」とか単に「ソーシング」ともいいます。

教科書的に言いますと調達決定は、文書化されたRFQ(見積依頼)を複数のサプライヤに提示し、複数のサプライヤから提案や価格条件を入手、コストだけでなくQCDDM(Quality、Cost、Delivery、Development、Management)などの多面的な評価を実施しましょう。またその評価で重要なのは何を重視するかであり、ウエイト付けが重要ですと。。そこで得点付けするとA社が一番ですよ。それではA社に発注しましょう。これが基本になります。

私が担当する調達・購買業務基礎のセミナーにおいてもこのような流れを説明した上でサプライヤ選定のケーススタディを行います。しかし、多面的な評価も重要ですが、それ以上に重要なのは選定理由なのです。

選定理由において重要なのはその理由が論理的であるかどうか、また説得力があるかどうかです。

私が大学を卒業して一番最初にやった仕事は原価計算でした。ある製品の原価がいくらなのか見積、積算することです。この当時に上司から徹底的に教えられたのは、論理的に説明しろ、ということでした。見積や積算をやられたことがある方は理解できると思いますが、モノの原価がいくらかなんて誰もわかりません。いくらが正解なのかはっきりした答えもありません。答えがないのにも関わらず、「徹底的につきつめろ」、「もし分からないことがあればそれをそのままにしておくな」と言われて現場の人間からは「何でですか?の野町」と呼ばれていました。
その当時は何でこんなことにこんなに時間をかけなければならないのか、という疑問を持っていました。いつも上司に対して論理的な説明を求められボコボコにされていたのです。しかし今になるとこのような経験がむしろ自分のためになったと考えます。

何故でしょうか?

絶対的な答えがないからこそ、様々な角度から論理的な思考を重ねることでその時点の最適解を見出すことが重要だからです。
重要なのは答えだけでなく、答えを導き出すためにどれだけ考えたか、ということです。それが論理的であり、説得力があればあるほど、多くの不確実性の中での最適解だからです。

バイヤーは常に調達決定という重要な場面に立たされます。多くのバイヤーはそれを権限とも責任とも意識していないかもしれません。
しかしあるバイヤーの判断が結果的にサプライヤをつぶすこともあります。逆にあるバイヤーの判断がその企業の競争力に直結するようなサプライヤとの取引につながる可能性もあります。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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