小沢一郎氏にみるリーダーシップ

2007.11.21

組織・人材

小沢一郎氏にみるリーダーシップ

猪熊 篤史

参議院選挙における躍進、自民党との対立、代表辞任問題を経て政権獲得を目指す民主党の代表である小沢一郎氏のリーダーシップについて考えてみたい。

 夏の参議院選挙で大きく躍進した民主党の代表である小沢一郎氏は、自民党との対立姿勢を明確にしている。安倍前総理の辞任、福田新総理の選任後も参議院第1党である強い立場を背景に11月1日で期限切れとなったテロ対策特別措置法の延長に最後まで反対していた。一方で、自民党との連立構想に一時傾いていた小沢氏の意向は、民主党内部の反対を受けて揺らぎ、小沢氏は民主党代表の辞意を表明した。しかし、民主党内部からの説得によって辞意を撤回した。そして、次期衆議院選挙において勝利して民主党政権を樹立することを目指している。政権獲得を目指す民主党の代表である小沢一郎氏のリーダーシップについて考えてみたい。

1. 打たれ強さ
 小沢氏は11月4日の民主党辞意表明から2日間で辞意を撤回した。「恥をさらすようだが、皆さんの意向を受けてぜひもう一度頑張りたい」と民主党代表を引き続き務めることを表明した。自衛隊をインド洋に派遣していたテロ特措法の延長については国連重視の姿勢や憲法の解釈をめぐって最後まで反対姿勢を貫いた。それらが良かったのか悪かったのかは別として、小沢氏は信念を持って行動していたようである。リーダーは力強く、活力に満ち、また、苦境を乗り越えていかなければならない。自民党を離党して、新進党や自由党などを率いてきた小沢氏は、「壊し屋」、「豪腕」などとも呼ばれるが、ベンチャー政治家的な力強さやバイタリティを持っている。

2. 組織的な支持
 自民党との連立に対する反対を受けて代表の辞意を表明した小沢氏を民主党は慰留した。夏の参議院選挙で支持を得た小沢氏に対する民主党内部の信頼は強い。国民全体としても年金記録問題などを引き起こした政府や自民党の独裁的な力に対する不安や不満は強く、小沢氏を中心とする民主党に対する期待は高い。小沢氏は、政治家としての実績、人脈、ビジョン、人柄などによって人をひきつけ、組織のトップに立つ信任を与えられているようである。

3. キレ
 小沢氏は国民や民主党組織の機嫌を取って人気を得ているわけではない。憲法や自衛隊など政治問題について明確な考えを持ち、国連中心主義など確かなビジョンや理念を示している。小沢氏は「キレ」を持つために、一方で「壊し屋」などとも呼ばれるようだが、本質を見極めて、何よりもそれを実行する力強さを持っている。
 
4. 実行力
 能力や人格、あるいは、それらの成果として得られる人脈など、小沢氏はリーダーとして高い資質を持っていると言えるのだろう。ベンチャー政治家的に新政党を率いてきた実績や民主党代表として民主党を参議院第1党に躍進させた手腕や実績はリーダーとして評価されるものである。次期衆議院選挙でも国民の支持を得られるのかが問われるところである。

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