人は「無視・賞賛・非難」の3段階で試される

2011.03.05

仕事術

人は「無視・賞賛・非難」の3段階で試される

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人の成長過程を加藤清史郎センセイの法則と、野村克也カントクの名言から考えてみる。

 ソフトバンクの携帯電話CMで、いま「白戸家・授業参観」篇が流れています。「こども店長」でお馴染の加藤清史郎クンが先生役となって教壇に上がり、『ちやほやの法則』なるものを説明します。
 清史郎先生が“ちやほや”と書かれた球を高く持ち上げ、ズトンと地面に球を落とす。そのときの清史郎先生のセリフ―――「持ち上げといて、落とされる。高く持ち上げられるほど、落差が大きい(再び球を高くから落とす)。信じられるのは家族だけ……」。
 (生徒に扮するマツコ・デラックスが)「気を付けなよ、先生」。
 (清史郎先生)「あなたも」。
 (さらにマツコ・デラックがイヌの白戸家お父さんに向かって)「あんたもよ」。

 ……「さんざん持ちあげて、落とす」。かつてメディアで働いていた自分にとっては身につまされる真実ですが、このCMには思わず笑ってしまいました。
 メディアも世の中も、常に自分たちの関心を奪うキャラクターを欲しています。政治家にしろ、芸能人、文化人、スポーツ選手にしろ、ヒーローやスター、アイドル、ヒール(悪役)を何かしら生み続け、そして同時に、消費し続ける。これは大衆心理に宿る習慣病のようなものなのかもしれません。
 一般人である私たち一人一人も、長い人生途上にあって、メディアに騒がれるかどうかは別にして、ときに周囲からちやほやされ、実力以上に持ち上げられるときがあります。また同時に、少し頭角を現すや否や、周囲の嫉妬などによってつぶされそうになるときがあります。そんなとき、私たちが留意しておきたい大事なことをプロ野球選手・監督して活躍された野村克也さんは、こう表現しています。

 ―――「人間は、“無視・賞賛・非難”という段階で試されている」。
    (『野村の流儀』より)

◆【段階1】「無視」によって試される
 誰しも無視されることは辛いものです。自分なりに一生懸命やっても、誰も振り向いてくれない、誰も関心を持ってくれない、話題にも上らない、評価もされない。組織の中の一歯車として働いていると、こうした感覚をよく覚えます。あるいは個人でブログを開設し、自分の意見や作品をネット発信して叫ぶのだけれど、まったく反応が来ない。
 また、就活中の学生が、志望企業にエントリーをしてもしても、応募は空を切るばかりで、自分という存在が何十回も否定される。これらはすべて、「無視」という試練にさらされています。
 「無視」という名の試練は本人の何を試しているかといえば、それは「負けじ根性」です。
 偉大すぎる芸術家などは、その作品があまりに万人の理解を超えているのでときに、本人の生前には誰もが評価できない場合が起こりえますが、一般人の場合であれば、たいてい自分の身の周りには目利きの人が多少いるものです。
 ですから、もし「無視」によって、自分にやる気が起こらないという状況にあれば、そのときの答えは、負けじ根性を出して「人を振り向かせてやる!」という奮起です。その心持ちをしぶとく持ってやっていれば、ひょんなところから理解者、評価者は現れてくるものです。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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