「マーケティング3.0」考-2

2011.01.08

営業・マーケティング

「マーケティング3.0」考-2

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これは、昨年(2010年)後半、メルマガ『スーパー広報術』に連載した記事を統合・一部リライトしたものです。なお、原書に基づいて執筆したため、翻訳版とは日本語の表現が若干異なっています。

●価値駆動の時代

またちょっと別の視点でMarketing 3.0を考えてみます。

Marketing 3.0は、「価値駆動の時代(Value-driven era)」において、求められるマーケティングの取り組み方法だと言えます。「価値駆動」とは、人々は、自分が大切にしたいと考えること=価値観に基づいて消費を行うという意味です。

従来のように、ただ充たされない欲求があるから製品やサービスを購入するのではなく、地球全体、あるいは社会全体の問題に対して「どうにかしたい」という思いを商品選択で重視するようになってきたということです。

ですから、Marketing 3.0では、従来のように、単に「消費者」として人々を 見るのではなく、知性(Mind)、感情(Heart)、そして人間性(Spirit)を併せ持つ一人の「人間」として把握しようとします。

ここでちょっとわかりにくいのが「人間性」(Spirit)という言葉です。

人間性とは、人々が誰もが本来心の奥底に持っていると思われる、個人の欲求を超えたところにある、社会的価値の追求、さらに言えば地球的価値の追求と言えるでしょう。したがって、前述した「価値駆動の時代」に最も大きく関わってくるのが、この人間性です。

要するに、自分個人よりも社会全体、地球全体の調和や幸福を願い、その実現に対して、自分が何らかの形で貢献したいという思いのこと。一言で形容できるぴったりの言葉は今のところ発見できていませんが、いちおう、私は「人類愛」と言い換えることにしています。

●水平的につながった消費者

Marketing 3.0では、今日の市場においては人々の企業に対する「信頼」が劇的に低下していることを指摘しています。実際、日本においても偽装事件が次々と明るみに出るなど、企業に対する信頼性は随分と失われました。

一方、信頼性が高まっているのが消費者お互い同士。SNSやツイッターなどインターネット上で水平的に広がるネットワークを通じて頻繁に情報を交換しあっています。

消費者の中にはもちろんガセネタを流す人もいます。しかし、ソーシャルネットワークは、友人同士がつながるところから始まっているだけに入手できる情報は十分に信頼に足るものが多いのです。売上のためにしばしば、ウソの情報を流してきた企業とは大違い。

従来、消費者の情報入手方法が実質マスメディアに限定されていた時には、企業は、マスコミュニケーションを通じて消費者が得る情報内容をかなりの程度自由にコントロールできました。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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