教育業界異種格闘技乱打戦

2010.12.01

ライフ・ソーシャル

教育業界異種格闘技乱打戦

今野 篤
株式会社経営教育研究所 代表取締役

個別指導vs集団指導から学習塾業界vs異業種に。 家庭教師、通信教育、教材会社、そして…。 戦いの場は、ついに業界の垣根を越えた!

3.通信教育からの参戦


塾とかなり近い関係にある通信教育には2つの超大国がある。ベネッセコーポレーション(東京個別指導学院買収、アップ資本・業務提携)、学研HD(桐杏学園買収等)の2つだ。こちらも予備校と同様に潤沢な資金を武器に塾業界に攻め入る。ただし、ベネッセは上場企業の大手を、学研はどちからというと中小規模の買収に熱心だ。

4.教材会社からの参戦


この戦いで、大変面白い位置にいるのが教材会社だ。それは今後、デジタル教材の普及に伴い、良質な教材(コンテンツ)は引っ張りだこになる可能性を秘めているからだ。Z会の増進会出版社は、栄光やウィザスの株式取得をはじめ、市進HD・学究社・進学会・栄進館と業務提携を結んでいる。

5.IT系からの参戦


ここでは二系統の動きがある。その一つが映像教材や映像授業だ。ITインフラの向上と2009年に起きたパンデミックで、映像系はすっかりと市民権を得た。既に映像教材・授業を導入もしくは導入予定の教室も多いことだろう。もうひとつが電子教科書であり、2010年は電子書籍元年と言われるように、国をあげて2015年に電子教科書の導入が騒がれている。この2つの動きは、いよいよ教育でもITが無視できないばかりか、主要パーツに成り上がろうとしていることを示唆している。今後ITは、塾と教材(コンテンツ)を繋ぐ接着剤のような役割になってくるのではないだろうか。

6.外資からの参戦


市場規模1兆円強(*)、大手でも売上高数百億円の学習塾業界だが、収益率はどの業界の中でもトップクラスだ。投資を目的とした外資が関心を示しても、なんら不思議ではない。実際に「塾ビジネスの動向に興味がある」とは、中堅規模外資企業の幹部。

(*)2010-2011学習塾白書調べ

学習塾がサービス業に属する以上、市場には競争原理が働く。まして市場が寡占化しているならその戦いは激化する。それは自動車業界をはじめ、デパート、航空、家電、飲料、出版など、あらゆる業界で起きており、学習塾業界でもそれが現実になろうとしている。

次の覇権取りをかけた戦いに入り、その際に技術革新や社会情勢の変化が新市場を形成するのだ。確かに塾には教育という特殊性は残るものの、いちビジネスとして捉えるならば、今起こっていることもこれから起こることも必然なのかもしれない。

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今野 篤

株式会社経営教育研究所 代表取締役

教育ビジネスのアナリスト/コンサルタント。専門はフランチャイズ(FC)とデジタル関連。個別指導FCやベンチャーなどの教育機関を経て、2009年に民間教育シンクタンク経営教育研究所を設立。教育と異業種を結ぶエデュイノベーションLLPパートナー。

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