ミルク入り登場?ブレンド茶戦線異状あり

2010.10.14

営業・マーケティング

ミルク入り登場?ブレンド茶戦線異状あり

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 アサヒ飲料のニュースリリース。「ミルクを加えたクリーミーな十六茶!」が発売されるという。いわゆる「ミルクティー」ではない。十六茶は複数の茶葉や原料で淹れた「ブレンド茶」というカテゴリーの商品である。1993年の発売以来17年を経て、十六茶がミルクと邂逅することとなった背景は何だろうか。

 アサヒ飲料ニュースリリース http://tinyurl.com/2dyslw8

 リリースでは、「穀物由来の香ばしい香りと、ミルクのクリーミーな味わいがマッチ」とある。「紅茶の香りとミルクのマッチングは大好きだけど、香ばしいのは何だかちょっと抵抗あるなぁ…」と思ってTwitterでツイート(つぶやき)してみた。するとフォロアーの方から、「スタバのほうじ茶ラテを思い出しました。ミスマッチですが、オーダーしている人は結構見かけました。私も試飲しましたが、意外とイケます。」とのレスポンスが。うーん、確かにそう考えればアリかもしれない。しかし、ブランド本体から商品を派生させる「ブランドエクステンション」は失敗すると本体ブランド価値を棄損するという影響がある。

 ブレンド茶カテゴリーの歴史を振り返ってみよう。

 カテゴリーを最初に開拓したのは、十六茶だ。 最初の発売年とされている93年とは、 シャンソン化粧品が1985年からティー・バッグタイプの「十六茶」を発売していたものを、アサヒ飲料缶・ペット容器入り飲料「お茶どうぞ」シリーズのサブブランドとしてとして発売した年だ。大ヒットとなり、97年には「十六茶」ブランドとして独立。99年に累計出荷数が1億箱を記録したという。(Wikipedia及びアサヒ飲料ホームページを参照)
 しかし、飲料業界のリーダー企業、日本コカ・コーラが同質化戦略を仕掛けてきた。「爽健美茶」を93年に茶系飲料「茶流彩彩」のサブブランドとして発売を開始。十六茶の売上げをじわじわと浸食し、99年の大ヒットを経て単独ブランドとして独立した。(Wikipediaより)。シェアは完全に逆転し、ブレンド茶カテゴリーの約7割を爽健美茶が占めるに至ったのである。さらに日本コカ・コーラは2006年5月に「からだ巡茶」を発売。ブレンド茶カテゴリーを無敵の2トップ体制で盤石なものにしたのである。

 チャレンジャーが現れたのは2008年5月のこと。キリンビバレッジから12種の素材をブレンドした「潤る茶」が発売された。CMキャラクターに人気絶頂の仲間由紀恵を起用し、力を入れた。さらに翌年、ミネラル(カリウム)・ビタミンC、さらにコラーゲンといういかにもカラダが潤いそうな原料を加えパッケージを改訂。CMも大量に投下した。しかし、検討空しく、2010年4月、発売中止となった。

 再びカテゴリーの戦いが激化したのは潤る茶が静かに市場から姿を消した同年同月。まずは、アサヒ飲料が十六茶でカテゴリー首位奪還をしけた。爽健美茶に対する明確な差別化を図りリニューアル。パジャマ姿の新垣結衣をCMに起用し、「朝ブレンド・カフェイン0」とパッケージに明記したのだ。原料由来で若干カフェインを含有する爽健美茶の弱点を突いたのである。
 そこに割って入ったのが、キリンビバレッジだ。まさかの「生茶」ブランドをエクステンションしたブレンド茶を投入。ジャニーズのNEWS・山下智久が「どっちの生がいい?」と問いかけるのは従来の緑茶ともう一方こそが、潤る茶の弔い合戦とばかりにコラーゲンを投入した「生茶 朝のうるおうブレンド茶」なのだ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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