戦略は「勝つためのもの」でも「作戦」でもなく。では、一体何?

2010.07.26

経営・マネジメント

戦略は「勝つためのもの」でも「作戦」でもなく。では、一体何?

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

初めまして、株式会社 戦略調達 中ノ森と申します。 社名に「戦略」を入れていることから「果たして、戦略的に調達・購買業務を行うこととはどういうことか」、また、経営者として、「戦略とは何か?」ということは常に自問自答しています。 とはいえ、私は研究者ではないので、こうして走りながら考えることによって得た「戦略的」「戦略とは何か?」という事に対する現在の自分なりの考えをご参考までご紹介します。

次に、「作戦」という言葉についてですが、作戦は戦術であって、戦略ではありません。戦略は作戦を統合するものです。戦略が必要となるのは、目的を達成するのに、多くの人間が関わったり、多くの時間が掛かるものです。多くの人間が関わったり、多くの時間が掛かると、その間には、様々な「作戦」「戦術」「活動」がなされます。これらがバラバラに行われていては、1+1が2になるどころか、1+1がマイナス100になったりします。そのために、様々な作戦、戦術、活動を統合する「戦略」が必要になります。戦略は、このように、それに携わる人に右に行くべきか、左にいくべきか、止まるべきかの指針となるべきものです。その指針は、様々な現場での将来の不確実な事象に対する意思決定をその目的に促すためのものですから、抽象的であり、シンプルであり、応用可能なものでなければなりません。なぜなら、戦略が一人ひとりの行動を細かく規定してしまうと、その前提にないことが起こった時に、現場が混乱してしまい、余計に目的達成の観点から非効率になってしまうからです。反対に、戦術、作戦は、一人ひとりが何をすべきか明確にするために、より具体的である必要があります。

このように戦略と作戦、戦術は似ていますが、それぞれに求められることにまったく正反対な部分がありますので、それらを混同してしまうと、非常に非効率です。たとえば、戦略が求められている時に、箸の上げ下げまで指導するような戦術を上が立ててばかりいると、現場の判断で動かなければならない時に、指示待ちで事態が非常に悪化してしまうことがあります。反対に、現場に具体的作戦を示して一気に攻めなければならない時に、戦略だけ示しても、現場ではどう動いてよいか分からず、こちらも無駄な時間が過ぎ、事態が非常に悪化してしまうことがあります。

戦略論については、軍事戦略にせよ、経営戦略にせよ、戦略論に特化した書物が膨大にあります。つまり、戦略だけでまるまる本が何冊も書けてしまうものですので、戦略論、「戦略とは何か?」で考えると、戦略を立てるのが難しくなってしまうと思います。それよりも、戦略とは、目的の達成のために、それに関わる人が未知の状況に遭遇した時に、右に行くべきか、左に行くべきか正しい判断を示すことができるようにするための業務の指針、コンセプトのようなものと曖昧に捉えておいた方が良いのではと思います。それよりも、立てた戦略が実際に機能するか否かの方が大切かと思います。立てた戦略が機能しているか否かは、現場の方々がそれによって自ずと正しい作戦、戦術、行動を取ってくれるのであれば機能する戦略、そうでなければ目的、目標に無理があるか、戦略もしくは戦略の共有に問題があると言えます。

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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