‘病める’米国医療制度・・・『シッコ』

2007.09.29

ライフ・ソーシャル

‘病める’米国医療制度・・・『シッコ』

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「米国なんかにゃ、死んでも絶対住みたくないな・・・」 と心から思いました。 「米国で病気になったら、終わりだ・・・」 (金持ちでない限り・・・) マイケルムーア監督の新作映画、 『シッコ』 を見た後の率直な感想です。

『シッコ』は、米国医療制度の病巣を赤裸々に描いた傑作。

米国では医療保険に加入できず、高額の治療費が払えないため、
大きな傷口でさえ自分で縫わなければならないような人が
5千万人もいます。

でも、

医療保険に入っているから安心というわけではない

のがあきれてしまう点です。
本当に米国の医療制度は病んでいます。

というのも、保険会社が保険金の支払いを拒否したたために、
必要な手術や投薬が受けられず、死んでいく人が多数いるのです。
(受けていれば助かったのに・・・)

保険会社に雇われているドクターは、
保険加入者の申請(○○手術の費用を補償してほしい等)の
否認(拒否)率が高いほど、報酬が高い仕組みになっています。

つまり、保険会社の利益を上げるために保険金の支払いを拒み、
病人を見殺しにすればするほど、ドクターも儲かる仕組みなのです。

(全ての保険会社がそうだというわけじゃないでしょうけど)

また、入院患者が治療費を払えなくなると、
病院は、冷貧困層が住むエリアの医療センター前の路上に
その患者を寝巻姿のまま捨てます。
(この医療センターはとりあえずお金がなくても面倒はみます)

病院側が、一方的に患者をタクシーにのせて、
そこで強引に降ろすように頼むのです。

病院もまた、お金がない病人は見殺しにするのが米国の実態。
病人ですから、必要な治療が受けられず、文字通り死に至る人も
いるでしょう。

一方、シッコで紹介されていましたが、
米国と川を隔てただけのカナダや、英国、フランス、
そして米国の仮想敵国のキューバでさえ、

「国民皆保険制度」

が確立しています。したがって、これらの国では、
医療はすべて無料で受けられます。
(もちろん、税金負担は大きいのですが!)

フランスでは、赤ちゃんのいる家庭には、
週2日ほどベビーシッターサービスが「無料」で
受けられるほどです。

シッコの中で特に印象に残っているのは、
911の救援活動に従事し、その後遺症に苦しんでいるに
もかかわらず、必要な治療が受けられないでいた米国人を
ムーア監督がキューバの病院に連れて行ったところ、
笑顔で受け入れられ、無料で必要な治療を受けることが
できたというシーン。

キューバの平均寿命は、米国より長いのだそうです。

近年問題になっている日本の保険会社の保険金不払いも、
米国保険会社の「人の命より利益優先」という姿勢に
比べると、まだましに感じられましたね。

また、無料ではないにせよ、
比較的軽い負担で相応の治療が受けられる日本の医療制度も、
断固として守らなければならないと思いました。
(改善の余地は多々あるにせよ・・・)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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