大丸期待の新売り場『うふふガールズ』に幸運の女神はほほえむか

2010.05.15

営業・マーケティング

大丸期待の新売り場『うふふガールズ』に幸運の女神はほほえむか

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

大丸京都店が大改装して作ったコーナー『うふふガールズ』。鳴り物入りでスタートした売り場をみると、意外な事実が見えてきた。いや、ほんと、女性向けマーケティングは難しい。

ロールアップ、である

「ローラァーップ、ロラップ・フォザ・みすてりぃつぅあ〜」といえば、我々の世代ならビートルズなのだが、さて。最近流行りのロールアップなるものをご存じだろうか。

ジーンズやパンツの裾をクルクルッと巻き上げてはくのである。ちょっと前、連休最後の日に家人と、大丸にでも行きましょうと家を出た。そこで気づいたのだ。彼女が、なぜか、ジーパンの裾をふくらはぎのあたりまで巻いていることに。

てっきり、家で掃除をするときに、裾が汚れないように巻き上げて、そのまま出てきたのだと思い「ちょっと、裾、伸ばしときや」と注意すると、返ってきたのは実に冷たい視線。そして「これな、ロールアップいうて、今はやってるねん」という言葉だ。知らなんだ。

ロールアップ率、3割

お目当ての大丸に来て、さて、ジーパンやパンツスタイルの女性の足もとはどうなっておるのだ、とちらちら見ると、あら不思議。10人のうち3人ぐらいは裾を巻き上げているではないか。

なるほど、本当にロールアップが流行しているようだ。が、ここで一つ発見があった。ロールアップジェネレーションは、実に幅が広いのである。見たところ、下は20代前半ぐらいから、上は50歳未満ぐらいまで(ちなみに家人はアラフィフである)。

これを見て、一つの仮説を考えた。もしかすると、今や女性ファッションはエイジレス化しているのではないかと。

大丸期待の新売り場『うふふガールズ』

さて『うふふガールズ』である。ファッション販売が長期低迷状態に陥っている百貨店業界の中で、大丸京都店が起死回生の策として気合いを入れてリニューアルした売り場である。

売り場をのぞいてみると、まずその明るさが印象的だ。全体に白い。百貨店らしくないといえば、その通りである。そしてアクセントカラーは、きれいめピンク。これも従来の大丸イメージからはほど遠い。

並んでいる商品は、ほぼカジュアル一色。お値段も、とても通常の百貨店価格とは思えない値付けで、百貨店ならバーゲン価格といったところだろうか。ここに人が集まっている。連休最後の昼だからか、お客さん密度はとても高い。ほとんどすべてのディスプレイの前にお客さんがいるような状態だ。

『うふふガールズ』にいる女性たち

お客さんは確かに多いのだが、その年齢層をみると、これはどうも「うふふ」な人たちではないようだ。もちろん狙い通りF1層の女性もいる。が、割合にすれば半分弱といった感じではないか。

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