イチローが語る“カッコいいおじさん像”とは?

2010.04.21

組織・人材

イチローが語る“カッコいいおじさん像”とは?

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

本当に偉大な人は、決して偉そうにはしない。関わるすべての人を尊重し、腰が低いものである。また、魂のこもった仕事をしている人は自分の軸を持ち、人に媚びたりしない。年齢やキャリアに関係なく、誰に対しても自然体で接したいものである。

矢沢:うん、うん。

イチロー:そういう方たちは、なんか上からものを言う姿勢で来られる傾向があるんですよね。自分は、世の中のことをたくさん知っている。いろんな経験を重ねてきている。だから、なんでも聞きなさい。私は教えてあげるよ、っていうようなスタンスなんです。そういうスタンスで来られると、「あぁなんか、この人限界なんだろうなあ!」って思うんです。

矢沢:なるほどね。

イチロー:それとは逆に、輝いている人って、常にさらなる上を目指している。常に誰とでも対等。いくら歳が違っても、常に目線を僕らと同じところまで持ってきてくれる、そんな懐の大きさがあるんですよね。それが、まさに矢沢さん。いまたった、これだけの短い時間、お話させていただいているだけでも感じるんですけど。

(中略)

矢沢:自分がもっと楽しもうとか、自分がやるべきことがあるとか。自分には今年どういうテーマがあるのかなとか。そういう自分に対して新たなテーマがある人は、上から言うだの、言わないだの、歳の差があるだの、ないだのってことすらもないでしょう。

イチロー:なるほど。

矢沢:だからたぶん、やるべきテーマがある人間同士が向かい合えば、お互いの会話は普通の会話になる。いまこうして向かい合っているイチローさんと僕だって、20歳ぐらい違うでしょう。

このやり取りに私は、私たちの年代(50代)の立ち居振る舞いについて考えさせられました。年齢とかキャリアで相手を判断するのでなく、どれだけ自分の中に強く「やるべきテーマ」を持つことが出来ているか、ベクトルが自分に向いているかと。自分の話になりますが、交流会などで若い経営者の皆さんと名刺交換していて、恥ずかしながら少し上から見る感じで、「この業界で12年やってきて色んな経験した」と、イチローが言う、“魅力のないオッサン”化しているなと思う時があります。いっちょ上がったオッサンのようなことを言っていないで、「現役」でテーマを追いかけている人生を全うしなければと、この本を読むたび身が引締まります。果たして、皆さんは、お二人の対談記事を読んで何を感じられましたか?カッコいいおじさん(おばさん)になっていますか?

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今野 誠一

今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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