技術、理論軽視が懸念されるのは野球界だけでなく

2010.03.31

経営・マネジメント

技術、理論軽視が懸念されるのは野球界だけでなく

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

野球評論家の豊田泰光氏のコラム(2010年3月11日 日本経済新聞 37面)での日本の野球界での韓国選手躍進に関する考察を、日本の調達・購買、日本企業停滞の原因と重ねて見て行きます。

コスト削減、経費削減も、合理的・科学的に進められる事は少なく、「とにかく下げろ!」の大号令で、現場の担当者が自己流でなんとか進めているというケースが殆どです。

仕事で何か新しい取組みを始めようとしても、「そんなのは業界の『常識』では通用しない」「そんなのは前例がない」と一蹴してしまう。

企業の競争環境は刻々と変化しており、利用できる技術は日進月歩で進化しています。新しいものを使うのが必ずしも良いとは言いませんが、少なくとも、試してみなければ、使えるか使えないか本当の所は判断できません。1960年代の高度成長期と変わらない仕事のやり方で、今でも通用するという事はさすがにないでしょう。しかし、今の調達・購買の現場は、1960年代のそれらと、どう違っているでしょうか?

スポーツの世界でも、最近、世界レベルで戦えているサッカーや水泳では、試合中の各選手の走行距離やその軌跡、個々の選手の筋肉の動かし方や心肺機能と練習の関係などを科学的に分析しています。

一方で、これまで日本のお家芸と言われていたバレーやマラソンでは、長い低迷が続いています。企業も、日本はかつて経済大国と言われて、世界中から日本企業の成功の秘密が研究の対象とされた時代がありました。これらに共通するのは、先人達が努力や練習方法、仕事の進め方の研究を積み重ね、頂点に到達していったのに対し、一度、頂点に立つと、「日本は強い」「日本は優れている」という過去そうであったというだけで何の根拠のない自信や驕りから、先人達が行なってきた努力や研究を怠ってしまったことにあるのではないかと思います。

日本では、技術立国ということもあって、いまでも製品・サービスの研究開発は盛んですが、仕事やマネジメントの研究開発は不足しているのではないでしょうか。

モノがあふれ、よいモノを時間を掛けて作れば売れるという時代ではなくなりました。技術、理論の側面に率直に目をむけ、研究を積み重ねていく必要があるのは、野球界だけではなく、仕事の進め方やマネジメントについてもではないでしょうか?

※本稿は、弊社が発行しているメルマガ「週刊 戦略調達」の記事を編集・加工したものです。「週刊 戦略調達」は、調達・購買業務とそのマネジメント、コスト削減・経費削減のヒントを提供すべく、調達・購買業務のマネジメント、戦略調達のプロフェッショナルが、最新のトピックスから、調達・購買業務におけるトレンド、業務への影響を解説したものです。最近の記事のバックナンバーの閲覧やご購読は、http://samuraisourcing.com/knowledge/weekly/ にて行えます。

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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