我が子の内定のために親ができること(1)「就活」事情を知る

2010.03.06

組織・人材

我が子の内定のために親ができること(1)「就活」事情を知る

新田 龍
株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役

新卒学生の就職活動、略して「就活」(シューカツ)が正念場を迎えています。 本シリーズでは、就活生のお子さんを持つ親御さんに向けて、「新卒採用と就活の現状」と「面接官の本音」、そして「親としてやるべきこと、やってはいけないこと」について最新の情報をご提供していきます。

●現代の就活事情とは?

現在50歳前後の「就活生の親」世代が体験した就活と、今まさにお子さんたちが経ている就活は、恐らく全く異なるといってよいでしょう。 そのため、その頃の体験を基に就活を語っても、お子さんとお話がかみ合わない可能性が高いのです。 お子さんと語り合う前に、まずは現在の就職活動事情をご理解頂くのがよいでしょう。 具体的に、何がどう違うのでしょうか。

【就活のタイミング】
皆さまが就活されていたころには「就職協定」というものがあったはずです。 1985年までは、大学4年生の10月1日が会社訪問解禁、11月1日採用試験解禁となっていて、当日に会社を訪れた学生のほとんどが内定者、という状況でした。(86年~97年は8月20日が会社訪問解禁) “青田買い”と言われつつも、実質的には4年生に入ってから、約半年間の就活ということになります。

一方で、現在の就活はどうでしょうか。「大学」と「企業」に分けてみていくことにしましょう。

大学では、早いところでは2年生の冬に「筆記試験対策講座」、3年生の春頃に「就職活動ガイダンス」がスタート。 3年生の10月から、学内での就職支援講座が本格化していきます。 この時期、企業を大学に招いて「合同企業説明会」を催す大学も出現。 就活生へのサポート体制も、大学が選ばれる要素の一つです。

企業側の動きとして、3年生の6月~夏休みにかけて、企業で就業体験をする「インターンシップ」があります。 外資系の一部企業では、これが実質的な選考の場になっていることも。 休み明けの10月から「リクナビ」「マイナビ」などの就職情報サイトがオープンして、選考応募の受付がはじまります。 同時に「企業説明会」や「セミナー」が催され、本格的に情報提供がスタートします。

一般的なスケジュールとして、10月から応募受付、11月頃は合同企業説明会、翌1月から個別企業説明会の開催、2月以降にエントリーシートによる書類選考、3月に筆記試験、4月に面接、4月~5月上旬には内定、というのが最近の傾向です。 3年生の春から考えると、1年以上も就職活動をするということになります。 早期化と長期化ですね。


【選考方法の変化】

かつては「資料請求はがき」を1枚1枚出して応募書類を取り寄せていたものです。 筆者が就活をしていた10年ほど前でも一般的な手法でしたが、その頃から「リクナビ」など「インターネット上の就職情報サイト」が出現し、今や主流となりました。 希望する業界や職種、要素などを絞り込んで、ボタンをクリックするだけ。何百社でも一括で応募できるのです。

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新田 龍

新田 龍

株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役

キャリア教育プロデューサー ブラック企業アナリスト 大学講師 HRMストラテジーコンサルタント JCDA認定キャリアデベロップメントアドバイザー 日本キャリア開発協会、東京商工会議所会員 早稲田大学卒業後、東証一部上場企業で経営企画、事業企画を経験。 その後人材サービス大手企業にてコンサルタントおよび人事採用担当等を歴任。 現在は人事戦略とキャリア教育に関するコンサルティング会社を2社経営。

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