キムヨナの強靭な精神力の根源にあるものは?

2010.02.28

組織・人材

キムヨナの強靭な精神力の根源にあるものは?

松本 真治
有限会社ワースプランニング 代表取締役

 熱い一週間が終わった。バンクーバー五輪の最大の見どころだと言っても過言ではないフィギア女子の熱い演技に魅了された方も多かったのではないだろうか。SPが終わった時点で2位とはいえ苦手のSPを完璧にこなし、今までにない小差で終わった真央ちゃんの逆転を期待されていた方も多かったのでは。結果はご承知の通り。何が違ったのか。

 「キス&クライ」を皆さんご存じだろうか。誰が命名したかは不明であるが、フィギアスケートのリンク脇の選手とコーチが採点の発表を待つあの場所のことである。歓喜のキスと無念・悔しさのクライが入り混じっている場所ということだろうか。できれば「キス&ジョイ」であってほしいところだが、大なり小なり今年も「キス&クライ」になった。

 オリンピックという大舞台でわずか19歳の少女が大きなミスをすることなく演じきるその精神力には脱帽である。元々、子供時代のエピソードで度胸が据わっていると書かれていた真央ちゃんであるが、キムヨナの精神力が勝っていたような感がする。

 SPで見事にトリプルアクセルを決め今季最高得点を出した真央ちゃんの余韻の中、全く動じることなく、完璧な演技をしたキムヨナの精神力は大したものである。この情景を見ながら、逆転は難しいのでは感じたほどである。奇しくも、フリーではキムヨナが先で、真央ちゃんはその次である。当然ながらプレッシャーはあったようである。

 残念ながら真央ちゃんは着氷の乱れとエッジの引っ掛かりミスがあった。しかし、これはさほど大きなミスではなく、キムヨナがあまりにも完璧すぎたため目立ってしまったのではないかと思われる。終了後、真央ちゃんは後半のミスについてこのジャンプをしたら何点もらえるかという得点のことを考えてしまい集中心が欠けてしまったと分析している。

 滑る前にキムヨナの得点を移したボードは敢えて見なかったという真央ちゃんだが、フリーが苦手と言われているキムヨナがかなりの高得点を出したことくらいは場の雰囲気で感じていて当然である。それがプレッシャーとなったのであろう。

 真央ちゃんにとってキムヨナは紛れもなく最大のライバルであり、意識しない方がおかしい。キムヨナにしても自らはできない技術を持っている真央ちゃんを意識して当然である。しかし、キムヨナは真央ちゃんのことを意識しているかと聞かれ時、他にもいい選手がいるので真央ちゃんだけを意識することはないと言いきっている。

 ここにキムヨナの強さが垣間見られる。

 フリー前日の会見でも、真央ちゃんは金がほしいと直接的に言っている。当然の思いであるが、その背景にはキムヨナには負けないぞ、勝つぞという相対的見地がある。

 対するキムヨナは、既に絶対的見地である。韓国を代表する企業の顔として活躍するキムヨナの写真は街中いたるところで見られる。国民の妹とまで言われ、全国民の期待を一身に背負っている使命感もあるだろう。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

松本 真治

有限会社ワースプランニング 代表取締役

人材・組織開発コンサルタント。 人材・組織の潜在力を引き出すアセスメント(サーベイ)の企画/開発/運用から本質的課題を抽出し、課題解決のための最適なソリューション(研修・教育プログラム)の設計/運営までのコンサルティング・サービスを展開中。 人/組織が本来持ち備えている力(潜在力)を引き出し、人/組織が自律的で持続的な成長を遂げていく支援をさせていただいています。

フォロー フォローして松本 真治の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。