みかんの消費量・「20年で半減」の謎をフレームワークで検証する

2010.01.30

営業・マーケティング

みかんの消費量・「20年で半減」の謎をフレームワークで検証する

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 ご自宅のリビングを見廻してみて欲しい。そこに、果物カゴに入ったみかんの山はあるだろうか。みかん市場に異変が起きているというが、もし、見あたらなければ、あなたもその原因の一端になっているのだ。

 5F(5Force analysis)では、「果物業界」での戦いと考えれば、上記の通り、「業界内の競争」として輸入果物やその国産化した物、イチゴなどとの激しい戦いが繰り広げられている。それだけでなく、「おかし」という業界関係者のコメントを考えれば「代替品の脅威」も強いことが分る。果物の成分を摂ればいいのであれば、ジュースでも十分だ。この20年間で甘いだけの果物ジュースではなく、野菜と果物の混合で美味しく栄養が摂れる製品は非常に多くなった。さらに、ビタミンなどの栄養分だけでよければサプリでもいい。サプリ市場も20年間で大きく拡大した。

 3C(Customer・Competitor・Company)で考えれば、顧客のみかんに対するKBF(Key Buying Factor:購入要因)は「ナイフを使わなくて、手軽にむけて食べられる」が大きかっただろう。しかし、上記のように代替品はむくことすらせずに食べられる物がたくさんある。顧客を細かく見れば、「むくと爪に…」と言っているのは誰だろうか。購入に関するDMU(Decision Making Unit:購買決定単位・関与者)は、主婦が大きいだろう。昔はなかったが、ネイルブームで女性は爪をきれいにしている。若い主婦もやっているので、強力なDMUに「買わない(買いたくない)理由」が存在して、家庭に導入されないことになる。競合はむかなくていい。顧客のニーズをすくい取れている。

 記事によれば、<福岡県の冷凍食品販売会社「八ちゃん堂」(福岡県みやま市)>が<皮を剥いてある冷凍みかん、その名も「むかん」を年明けに売り出した>という。きちんと顧客のニーズをすくい取る動きをしている。みかんの産地にある同社は<。地元を盛り上げようと開発した>という。
 このまま消費が低迷すれば、将来的には他の作物に転作することも考えなければならないだろう。しかし、そんなにすぐには無理だ。「できることをやる」ことを考えれば。むいて販売するのは的を射ている。

 でも、このままみかんが無くなったら寂しいので、みんな、みかんをむいて食べようよ。
 記事にはステキなオチが付けられている。<今年のみかんは甘く、当たり年だと言われている。夏から秋にかけて乾燥した日が続いたために糖度が高まったそうだ。そして今の時期、生産地では、12月中旬頃にとれたものを倉庫で寝かせ熟成させた「貯蔵みかん」の出荷がピークを迎えている>。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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