誰かがやってくれるだろう

2010.01.19

組織・人材

誰かがやってくれるだろう

小倉 広

『神は細部に宿る』 ほんの些細なこと、 例えばごみが落ちている。 例えば時計が数分狂っている。 それを見落としている企業は 仕事の上でも些細なことを見落とします。 「あっ、時計が狂っている。直しておくか」 「誰かがやってくれるだろう。自分はそれどころではないんだ」 あなたはどちらの人を信用しますか?

メールマガジンを書いてから早数年が経った。
ありがたいことに、現在すでに3万4千人にもの読者がいて、書く腕にも自然と力が入る。

今回はそんなメルマガから一つ紹介。

5月19日のテーマは『マイナスのオーラ』。

恥ずかしながら当社の情けない朝礼を題材に、
リーダーの在り方を説いた。
そこで僕はこのように文章を結んだ。

(以下『人と組織の悩みが嘘のように晴れるコラム100選 Vol.116』より引
 用)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

…そして今日も朝礼が行われた。幸か不幸か僕は直行で朝礼に出ることができ
なかった。さて、その結果はどうだっただろうか。

きっと気の利いたリーダーが教えてくれることだろう。僕の聞きたかった吉報
を届けてくれることだろう。ドキドキとしながら僕は報告を待っている…

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

僕はこのメルマガが配信された後、
本当にドキドキとしながら連絡を待っていた。
このドキドキには2種類のものがあった。

1つ目は『今日こそはマイナスのオーラ抜きで明るくやってくれただろうか?』
というもの。
一人ひとりのリーダーシップに期待するドキドキだ。
脳裏に浮かぶ新入社員や20代の若手たちの表情…。
頼むぞ。お前たちもリーダーなんだ。
今日はできたかな?そんなドキドキ。

2つ目は『部長や役員は気を利かせて今日の朝礼の様子を報告してくれるだろ
うか?』というドキドキ。
気を利かせて、どころかメルマガの文末で催促しておいた。
つまり、

「メルマガちゃんと読んでいるだろうな?」

「期待を受け止めて報告してくれるよな?」

という極めて低いレベルのドキドキだ。

しかし見事に期待は裏切られた。
6人の部長、役員誰一人から報告はなし。
メルマガを通じた僕のラブレターは無視された。
恥ずかしながらこれが当社の現状なのだ。

「応接室に通された時に、僕は必ず部屋の時計を見るのです」

ベンチャー企業の業績をピタリと見抜く、
カリスマ投資家として名高い藤野英人氏はこう言う。
彼は自ら投資先企業へ足を運び、経営者や社員を見て、
株を買うか、買わないかを判断する。
その嗅覚はピカイチ。

「応接室の時計というのは誰にも管理責任がない。
 それが狂っていたならば、気づいた誰かが直せばいいのです。
 それができていれば買い、
 狂ったまま放置されている会社の株は買いません。
 『オレがやらなくても誰かがやってくれる』
 という会社はろくな会社じゃないからです」

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