なぜハイボールは売れたのか

2010.01.09

営業・マーケティング

なぜハイボールは売れたのか

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

小雪さんの「ハイボール」のCMを覚えているだろうか。あのCMの効果も相まってなのだろうが、これが売れた。確かマーケットではお酒離れが進んでいたはずなのに、なぜハイボールは売れたのだろうか?

30年前の記憶

ハイボールとは、早い話がウイスキーのソーダ割りである。筆者が大学生の頃、30年ぐらい前にはよく飲まれていた。貧乏学生たちは、手っ取り早く酔いたいのである。従って必然的に強い酒を飲むことになる。とはいえ高い酒には手が出ない。

そこで愛用(愛飲?)されたのが「ホワイト」だった。京都界隈だけでの話かもしれないが、ウイスキーといえばなぜか圧倒的にサントリーだったのだ。サントリーウイスキーのどの銘柄を選ぶかは、誰がどれぐらいお金を持っているかによって決まった。

誰かにバイト代が入って、今日はちょっとリッチにというときは「角」である。全員揃って仕送り前とかでカネねえよ状態の時は「トリス」で我慢することもあった。が、平均して最も飲まれたのは「ホワイト」である。

あの頃は自動販売機でも「ホワイト」を売っていた。これが実によく冷えている。そこで付いた符牒が「きんきんのホワイト」。これをソーダはもとよりコーラやキリンレモンなどで薄め、がぶがぶ飲むというのがおきまりのパターンだった。

前年対比4倍の伸び

ところが年経て、だれもハイボールなど飲まなくなった。世の中的にも飲まれなくなった。ダイヤル式の電話機がいつしか消えて無くなったように、ハイボールもどこかに失われてしまった。もしかしたら渋いバーなどではメニューの一つとして生き残っていたのかもしれないが、少なくとも居酒屋にはなかったし、缶ドリンクとしても見かけなかったのだ。

それが、なぜか昨年大ヒットした。とても不思議だ。

どれだけ売れたかといえば「ハイボールを販売している飲食店は2009年で前年対比4倍の6万店超(日経産業新聞2009年12月25日付7面)」だという。筆者もこのブームに完全に乗ってしまった口で、昨夏は「とりあえずビール」の次は「んじゃ、ハイボール。うんと濃いめでよろしく」なんてやってたのだ。

実際、行きつけのお好み焼き屋さんでもハイボールがどんどん出ていた。CM効果はもちろんあったのだろうが、その背景にはもう一つ、時代の流れのようなものがあったのではないだろうか。

安く、オシャレに、酔いたい

ハイボールの競合はおそらく酎ハイだろう。ハイボールが登場する前には「とりあえずビール」の次は酎ハイを頼む人が圧倒的に多数派だったはずだ。そりゃ中には料理に合う日本酒やワインをセレクトされる方もいるだろうけれど、その方たちは一応少数派と仮定する。

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