「ハーフ」で「ニュー」な時代をどう生き延びるか

2009.12.04

営業・マーケティング

「ハーフ」で「ニュー」な時代をどう生き延びるか

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 「変わり続けてく街並みのように、元には戻れない若いふたり・・・」切ない歌のフレーズがそこだけ頭にこびりついていて離れない。何という歌だったろうか。  しかし、元には戻れないのは若いふたりだけではない。世界は、もう元に戻れないのだという。

■もう、元には戻れない

 <「ニューノーマル」~米国経済は二度と元には戻らない>(プレジデント12月 1日)
 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20091201-00000001-president-bus_all
 <ニューノーマルという語は、世界最大手債券ファンド・米ピムコのCEOであるモハメド・エラリアン氏が、サブプライム危機を予言した著書の中で、その後の経済状況を表現するのに使ったものだ><エラリアン氏のいうニューノーマルとは、「景気が回復しても元通りの経済水準にはならない」というものだ>という。そして、<マイクロソフトのようにニューノーマルを見据えた経営計画を立てる企業が相次いでいる>というのが記事の概要だ。

 「ニューノーマル」と同義で「ハーフエコノミー」という言葉も金融危機以降、頻繁に使われていた。
 <Q.ハーフエコノミーって何?・今日の知識>(日経トレンディネット2009年4月30日)
 <ハーフエコノミーとは、市場における需要が半分程度の規模になった経済のこと>と、「ハーフ」が状態を表わしていたのに対して、それがいよいよ「ノーマルなんだぜ」と、経済活動が盛んで消費も活発だった「若き日」にはもう「元には戻れない」んだぜ、ってことをマイクロソフトのCEOのスティーブ・バルマー氏は力説したわけだ。

■早晩「縮む」運命だったのは確か

 「冗談じゃない」といいたいところであるが、それが現実である。さらに考えれば、日本市場は少子高齢化で確実に「縮む」市場だ。今年の東京モーターショーで海外勢が3社しか出展せず、こぞって中国に行ってしまった寂しさを考えれば放っておいても「ハーフ」になったのは想像に難くない。自動車関連の寂しさ加減は枚挙にいとまがないけれど、こんな動きもあった。
 <現代自、中国に新工場 日本では乗用車販売から撤退>(日経ネット11月28日)
 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091129AT1D270AP27112009.html
 <01年の参入以来不振が続く日本の乗用車販売からは撤退する>と、確かに現代のクルマは売れてなかったと思うけど、それ以上に日本市場がオイシクナイのだ。

 少し日にちを遡るとこんなことを言っている人もいる。
 <「日本は普通の市場になった」ルイ・ヴィトンCEOに聞く>(日経ビジネスオンライン11月25日)
 
<これまでの日本は世界の流れとは一線を画した少し特殊な市場だった。ルイ・ヴィトンに関しても日本の店舗は客数が多すぎたと言えるほどだ。日本もようやく普通の高級品市場になったということだろう。>で、昨年末に銀座への出店を早々に断念して、その代わりにGAPが入店することになったというニュースも記憶に新しい。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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