東京、大阪を中心に、百貨店の大型リニューアル投資が計画されている。しかし、一般的なリニューアル効果は、半年程度しか持続しない。 むしろ、「検索できる百貨店」を実現するためのITリニューアルが必要ではないか。
5.百貨店が取り組むべきITリニューアルとは
百貨店のリニューアルは、明確な事業運営を想定し、そのための投資でなければならない。
私は、店舗のリニューアルよりも,独自の情報発信メディアを構築し、そのコンテンツを取材、編集、発信するための組織を作り、百貨店のコンテンツをどこからでも検索できるようにすることを提案したい。そして、そのメディアを通じて潜在的顧客を組織化すること。既存の顧客及び洗剤的顧客を集客するためのイベントを企画し、既存の取引先だけに捕らわれない幅広い企業や組織とのコラボレーションを行うこと。
それらの基盤となるのは、徹底した商品の単品管理と顧客管理だろう。単品管理とは、売上管理だけでなく、店頭に並んだ商品の画像情報を含む単品商品情報である。顧客管理とは、実際に買物をした顧客のみを管理するのではなく、様々なメディアとコンテンツにより、潜在的な顧客をも管理することである。
こうしたソフトやシステムのリニューアルは、半年で形骸化することはない。むしろ、事業を継続することでノウハウが蓄積されるのである。現在計画されている百貨店の大型投資の1割だけでも、こうしたITリニューアルに回すことで、百貨店の将来が開けてくるはずである。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24