二つの『三つの視点』

2007.08.16

仕事術

二つの『三つの視点』

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

「そんなの簡単じゃん、上から見りゃいいんだよ」。サッカー・スコットランドリーグでMVPとなった中村俊輔選手の言葉。イタリアで車一台分ギリギリのスペースに、彼がスパッと一発で車を止めた時の話だ。

もう一種類、自分がプランニングやコンサルティグを請け負う時に大切に
している『三つの視点』がある。野口悠紀雄先生に教えてもらったものだ。

すなわち
シャーロック・ホームズの視点。
シュテファン・ツバイクの視点。
絵を見る時の野口悠紀雄の視点。
この三つである。

シャーロック・ホームズの視点とは、あってしかるべきはずなのに現実に
はないものに目を向ける視点である。本来ならそこに必ずあるはずのもの
が欠けているとすれば、必ず何か原因がある。その原因を探る。

シュテファン・ツバイクの視点とは、およそ政治的・民族的・歴史的特性
などを離れてすべてを純粋に経済学的に見る視点だ。(経済)合理的に考
えればどうなるのかを常に意識せよ、という意味だ。

絵を見る時の野口氏の視点とは、絵のテーマよりも背景を注視する視点で
ある。『鳥の目』と『魚の目』をあわせたような視点だと思う。目の前の
事象だけに捉われず、より大きな範囲からその出来事を見ることが大切と
いうわけだ。

問題解決を求められる時には、野口式三つの視点が役立つことが多い。

とはいえ視点を変えることは意識しないとそう簡単にはできない。ただ視
点チェンジができるのとできないのとでは、物事を考える上でも、人との
コミュニケーションを深めるためにも、大きな違いが出てくる。何よりい
ろんな視点を持てれば自分が楽しい。それにいろんな面で得することも確
かだし。

とりあえず、とっつきやすくておもしろいのは『鳥の目』。だまされたと
思って、やってご覧じろ。物事の見え方が、たぶん変わるから。

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