「労働基準法なんて、そもそも守れないから…」の逆は?

2009.06.23

組織・人材

「労働基準法なんて、そもそも守れないから…」の逆は?

荒川 大

人事・総務部門は、どこまで法令順守を徹底すればいいのですか?という問いに、さらに問いを投げかけてみると…。

では「労働基準法を守れない」から「仕方ない」の発想を逆に捉えてみると…。単純に考えれば、法令順守が徹底されない場合ということになりますが、別に無法地帯ということではなく、些細な法令違反を想定して頂ければと思います。

労働基準法自体は、日本国憲法の第27条を補完する比較的上位にある法令ですが、そこまで上位でなくとも、以下の法令が守られなかったら…、本当に仕方ないよねって思えるものなのでしょうか…。

 下請法(契約後の値切り、支払いの遅れ等々…)
 刑法 (業務であれば業務上横領/これは上位にある法令ですが)

法律ですから、好きなものを選んで守るということはできないわけで、法律に守られる必要がありますので、必然的に法律を守らなければならないということになります(下請法が守られない環境だったら…と考えますと、私自身の会社のような零細企業は本当に生き残れないと思えて仕方ありません)。

さすがに、「当社は労働基準法を遵守できないため、社員は会社の在庫商品を勝手に持ち帰ってオークションサイトで販売しても横領で訴えません。」なんて言える会社はないはずなんです。あまり意識しない部分ですが、逆説的に考えると、そういうことになります。

最後に、倫理観で会社を統制していくことができれば本当は良いのですが、なかなか社員間のコミュニケーションも希薄になっていますので、情報漏洩や横領、詐欺などの個人の行動から会社が危機的状況に陥ることを避けるためには、やはり社員に対する「法令順守」の指針を示す必要があると思います。

あまり拘りたくない部分なのですが、自分達が被害者になった時にできるだけ守ってもらうためには、まずは自分達が遵守していくしかないのが「コンプライアンス」の基本的な考え方となります。

残業代をできるだけ払いたくない場合は、残業をできるだけさせない、そして残業にならないように「上手く」労働時間を管理するということが必要です。

100%の法令対応は難しくても「それなり」の対応をそれなりに行う必要がある時代であるということを、経営者が理解するかどうかではなく、社員全員が共有しておく必要があるということになります。

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