2種類のITコンサルティング手法

2009.05.23

経営・マネジメント

2種類のITコンサルティング手法

山崎 祐介

ITコンサルティングには、2種類の手法があります。 「SIer企業流→①」と「コンサル流→②」です。 ①.「業務改善からITを企画しソリューションを提供する」 ②.「システムの最適化の観点から業務のソリューションを提供する」


◆SIer企業流のITコンサルティング

・企画提案

 情報室担当者と要件定義及び企画提案を行います。
 その後、社内稟議にかけてもらい、経営者側の承認を待ちます。

 プロダクト導入戦略の編成組織から単一プロダクト中心の企画提案が特徴です。

・得意分野

 システム機能を中心とする案件

 既存システムからのリプレースなどで、ノンパッケージ(パッケージベースでもカスタマイズの割合が多い)によるアーキテクト案件が殆どです。
 運用基盤系の設計・構築経験者をメンバーに加えます。

・マネージメント

 プロジェクト管理では、開発工程の収益管理、予算管理 などの開発管理のマネージメントが中心です。
 情報室開発者との折衝が多いのが特徴です。

◆コンサル流のITコンサルティング

・企画提案

 経営者側と要件定義を行い、情報室担当者とIT企画の打合せを行います。
 その後、社内稟議にかけてもらい、経営者側の承認を待ちます。

 業務改善戦略の編成組織からマルチプロダクト中心の企画提案が特徴です。

・得意分野

 基幹系、特に基盤系の(業務)機能を中心とする案件

 ERPなどの大規模顧客案件が多いのが特徴です。
 会計知識など業務知識を保有する人材をメンバーに加えます。

・マネージメント

 システムのアーキテクチャなどの方式設計が中心で、開発工程管理は協力会社と協業します。
 従って、プロジェクト管理は、開発責任者のマネージメントが中心で、協力会社の折衝も行います。

◆弊社での取組

 弊社では、SIer企業と組むときとコンサルファームと組むときで、参画の仕方が違います。

 Sier企業と組むときは、見えないものを見える様にすることを心がけています。SIer企業は、それぞれ長い開発経験から、暗黙のルールが多く存在します。問題・課題が発生しても、それをどのようなプロセスで収束していくのかは、現場のメンバーは経験で分かっているのですが、顧客側は、それが見えないため、不要な摩擦が生じてしまいます。
 顧客側の観点に立った報告・課題管理をすることで、現場技術陣と顧客側担当者のコミュニケーションの円滑化を目指します。

 コンサルファームと組むときは、業務観点を技術者の視点で展開することを心がけています。コンサルファームは表現力が豊かで、経営者側には好評ですが、現場の技術陣には何が要件なのかが伝わらないケースが多く見受けられます。
 技術陣の観点に立って、要件整理を行い実現方式の了承まで顧客側と事前に行うことで、現場の技術陣とのコミュニケーションの円滑化を目指します。

如何でしたでしょうか。
少しでも参考になれば幸いです。

※記事に関する問い合わせは、下記までお願いします。
 yamazaki@yusukeyamazaki.jp

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