マネジメントスタイル。高倉健と教育ママの違い。

2009.05.11

組織・人材

マネジメントスタイル。高倉健と教育ママの違い。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

育成を考えるとき、上司はその対象であるメンバー本人にのみ焦点を当ててしまいがちで、ほとんどの上司の盲点となっているのが「育てる者としての自己を知る」ということ。 どんな育てられ方がそのメンバーに適しているのか、どんな指導のされ方を望んでいるか、はそれぞれでありポリシーを押し付けてはいけないということです。

①を縦軸に、②を横軸にとって4つに分類したのが、下図です。

放任と挑戦を選んだ方は、右上の【鳥井信治郎型】。「やってみなはれ。やらな、わからしまへんで。」で有名な、サントリーの創業者です。あれこれ口出しせず見守り、自主的に挑戦させることを良しとするタイプです。

関与と挑戦を選んだ方は、右下の【教育ママ型】。塾もピアノもスイミングも・・・というのと同じようにあれこれと取り組ませ、細部まで気にして指導、指図してしまいがちなタイプです。

関与と反復を選んだ方は、左下の【鬼コーチ型】。「グラウンド10周!」といった繰り返しによって基本を徹底して叩き込む、またサボリや緩みのないようにしっかりと目を光らせておこうとするタイプです。

放任と反復を選んだ方は、左上の【高倉健型】。やることもやり方も本人に任せ、教えることも指示することもなく黙って見ている、オレの背中を見て感じろ、ほんとに困ったら言って来いというタイプ。

研修などでやってみますと、上司の育成のポリシーは、(少し鳥井信治郎が多い気もしますが)4つのタイプに比較的均等に分かれます。大切なことは、どんな育てられ方がそのメンバーに適しているのか、どんな指導のされ方を望んでいるか、はそれぞれでありポリシーを押し付けてはいけないということです。特に、図の対角線上にあるタイプは合わない。メンバーが手取り足取りの教育ママを望んでいるのに、高倉健ではダメでしょうし、鳥井信治郎を望んでいるのに鬼コーチがやってきてもダメでしょう。

上司に育成のポリシー・持論があることは素晴らしいことですが、メンバーの成長という結果を出すためには、それを無意識に実行に移すのではなく、自覚した上で、目の前にいるメンバーに適した方法に修正していくことが重要です。

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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

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