ビジネスコーチ株式会社発行のメールマガジン『組織活性の秘訣』の人気コーナー“マネージャーという仕事”。マネージャーの方に必見のコラムです。
ここで達成感の大元を考えてみることにしましょう。達成感が生まれるスタートは『動機付け』です。人間は、何かに動機付けられ行動を起こし、その結果から、達成感を得ます。
その動機付けには、実は2種類あります。「外発的動機付け」と「内発的動機付け」です。
外発的動機付けとは、「アメ」と「ムチ」といったように行動の結果得られるもの、例えば報酬、昇進、他人の評価、罰則といったものによる動機付けです。
一方、内発的動機付けとは、行動そのものへの興味・関心が動機となって行動が生じることです。
例えば、パチンコをする人を考えてみましょう。パチンコをして、その見返り(景品)に意欲が湧くのが、外発的動機付け。一方、パチンコ自体に興味があり、どうしたら玉がたくさんでるのか?出る台の見極め方といったことに興味関心が湧くのが内発的動機付け。
そういう意味では、パチプロは両方の動機付けがなされているのでしょう。
話は戻って、目標管理制度だけでは本来の目的を達成できないというのは外発的動機付けに偏り、内発的動機付けを見過ごしてしまうのです。
なぜそうなるのか?
それは、目に見えやすい短期的結果と報酬や昇進とを連動させてしまうからです。
例えば、ロケットを考えてください。宇宙に到達することができるのは、切り離された第1弾、第2弾ロケットがあったからです。目標管理制度は、最後の頭のロケットばかりに気を取られ、切り離された第1弾、第2弾ロケットに意識がいかなくなるのです。結果、第1弾、第2弾が軽んじられ、誰もその仕事をしたくなくなります。
一方、内発的動機付けは、人の興味関心、情熱、志、探究心などからやってきます。果たして、人のそういった感情を引き出すことを制度化して、見える化することができるでしょうか?
それは、無理な話です。
そういった、感情の部分は制度ではなく、人と人が互いに真剣に仕事に取り組んだり、大いに語り合ったり、障害にぶち当たったときに一致団結して果敢に向き合ったり、失敗体験から学びあったり、感動体験を共有する、といった現場のドラマが『きっかけ』になっているのです。
ということは、目標管理制度でカバーできない内発的動機付けが生まれるような会社づくり、人材育成が大事だということ。
そのために、人事課長のあなたにできることは何ですか?あなたがやってみたいことは何ですか?
ご自身に問いかけて、もう一度よく考えてみてください。あなたの内発的動機付けが全てのスタートになるのです。
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